2013 Fiscal Year Research-status Report
多重赤外光を用いたインタラクティブサーフェスのための情報多重化に関する研究
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24500160
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松下 光範 関西大学, 総合情報学部, 教授 (50396123)
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Keywords | 多重赤外光 / インタラクティブサーフェス / 情報多重化 / IRフィルタ |
Research Abstract |
昨年度は赤外光透過フィルタ(以下、IRフィルタ)と赤外発光LED (以下、赤外LED)を組み合わせ、情報を多重化する方式についての研究を行った。本年度は、(1)照射する赤外光を時間的に変動させることで、情報を動的に変化させる方法について考案した。また、(2)提案技術を壁型のインタラクティブサーフェスに適用し、情報の重要性に基づいてユーザが選択的に表示を削減できる簡易電子掲示板を試作した。以下に各々の詳細を示す。 (1) 赤外光の動的変化による経時的情報多重化方式の考案 照射する赤外光の波長を時間的に変化させることで、提示される情報を時間的に変化させる方式を考案した。提案方式では、異なる波長特性を持つ IR フィルタを、異なる形状に加工して積層させ、波長ごとに異なる情報提示ができるようにしておき、照射する赤外光の波長によって異なる情報が提示されるようにしている。そして、この照射赤外光の波長を時間軸に沿って変化させる。この方式を用いることにより、複雑な情報の重畳提示が可能となった。また、昨年度実装したメディアアートシステム「透影」に本方式を適用することで、通常は静止している影を、アニメーションのように動かす表現が可能になる。 (2)提案技術を用いた簡易電子掲示板アプリケーションの試作 異なる波長特性を持つ複数のIRフィルタと指向性反射板をマグネットに貼付し、リアプロジェクション式のインタラクティブサーフェスにマグネットを取り付けると情報が掲示され、取り外すと情報が除去されるといった振る舞いが可能な簡易電子掲示板アプリケーションを試作した。このアプリケーションでは、背面投影をする赤外波長を変化させることでマグネットのID識別を行い、予め定められた重要度に応じて、提示情報を開示・秘匿させることが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の所期の目的は、ad hoc な情報の提示が可能なマーカの積層化と経時的変化可能な情報提示方式の実現、並びにそのアプリケーションの実現である。 まず、異なる波長特性を持つ IR フィルタを、異なる形状に加工して積層させ、波長ごとに異なる情報提示ができるようにしておくことで、複数のマーカパタンを重畳させ、かつ重ねることで ad hoc にそれらが変更できる方式を考案した。さらに、この方式を持つオブジェクトに、時間軸方向に異なる波長の赤外光を照射することで取得される情報が時間的に変動することを可能にした。これにより、マーカの積層化と経時的変化可能な情報提示方式が実現できた。また、本技術をメディアアートに援用して、Restive Shadow という名前のエンタテインメントシステムを作成した。本システムを国内外の展示会や学会等で展示し、当該技術の可能性や有用性を示した。 アプリケーションについては、3つの異なる波長の赤外光と、3種類の IRフィルタを組み合わせ、それをマグネットに重畳することで、マグネットの貼付/除去行為に応じて情報をad hoc に提示/削除できる方式を実現した。背面投影方式を用いているため、利用者の手や体によるオクルージョンが発生せず、安定した情報提示が行えるようになっている。また、照射する赤外光の波長を切り替えることで、情報の重要度に応じた情報のフィルタリングも可能である。加えて、マグネットの特性から書類やパンフレットといった実物体もサーフェス上に貼付できるようになり、ディジタル情報とアナログ情報を組み合わせた情報掲示ができるようになった。 これらにより、平成25年度に予定された計画を達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、これまでに実現した技術を整理・検証し、論文として纏めていくとともに、提案方式の更なる拡張を勧める。まず、積層マーカ方式の拡張として、IR フィルタ以外の光学素子との連携について検討する。具体的には、直線偏光版、円偏光板、1/2波長板、1/4波長板といった偏光素材、紫外光源と紫外遮蔽フィルタ、光量減衰フィルタなどの減光素材の組み合わせによる適応的情報提示の可能性を検討する。また、マグネットを情報アクセスのトリガとして情報を重畳する手法に関しては、システムのロバスト性の向上とサイズの拡充を図ると共に、提案方式を利用したアプリケーションを試作し、その有用性や制約についても明らかにしていく予定である。
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Research Products
(6 results)