2012 Fiscal Year Research-status Report
ベイジアンネットワークの構造学習で、離散と連続の属性が混在する場合
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24500172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 譲 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50216397)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Bayesianネットワーク / Chow-Liuアルゴリズム / 構造学習 / 機械学習 / MDL原理 / Bayes推定 |
Research Abstract |
本研究では、実際例から、ベイジアンネットワーク(BN)の構造を学習する問題を検討している。従来は、BNに含まれるすべての属性が離散、または、すべての属性が連続という非現実的な仮定のもとで検討されてきた。本研究では、ベイズ的に予測確率を計算して、事後確率最大の構造を求めるという、基本原理は変えずに、離散や連続を仮定しない一般的なBNの構造学習の方法を確立する。本年度は、以下のような成果を得た。 1. Bayesianネットワークの構造推定の一致性について、証明した。離散、連続の確率変数が混在している場合については、従来は同様の証明は得られていない。 2.Bayesianネットワークは非巡回有効グラフであるが、無向グラフであるMarkovグラフについて、Chow-LiuアルゴリズムのBayesアルゴリズムで、離散も連続も両方使えるものを考案して、発表した。 3. 線形回帰について、Hannan-Quinnの命題を肯定的に解決した。一致性を満足するための最小のペナルティ項をもつ情報量基準が、Hannan-Quinnであることを示した。同様の証明は、自己回帰、分類に関しては得られているが、線形回帰に関しては得られていない。 4. 離散や連続を仮定しないMDL原理の一般化について、その理論的枠組を示した。従来、連続であれば、記述長が計算できないだめ、量子化して対応するなどの手立てが必要とされた。しかし、その場合でも、サンプル数に応じて精度をどうするかについての指針が得られていなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、理論的な性質の証明が完成し、周辺の結果も整備され、国際会議5件、ジャーナル2件でその成果を発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、むしろ、具体的に掘り下げて、実用的な検討(計算量、事前知識をいかに反映させるか)をすることと、理論面で類似研究、既存研究と比較しての位置づけを明確にすること、BNの構造学習にまで適用できるかなどに焦点が移りつつある。具体的には、以下の問題に取り組む 1. 一般的なBNの構造推定を、実用的な時間で実行する方法を開拓する 2. 相互情報量のベイズ的な推定量を計算し、Chow-Liuアルゴリズムに適用する 3. 一般的なBNの構造推定を、欠損データが含まれている状況で考える 4. 今回のベイズ予測確率を求める方法がどのような範囲で適用されるか
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度からの繰越分(428,489円)は、2013年7月にイスタンブールで開催されるInternational Symposium on Information Theory (ISIT) 2013の旅費などに適用する。 本来は、平成24年度に利用するものであったが、2013年7月のISITの方が適当であるという判断をした。研究計画に変更はない。
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Research Products
(9 results)