2013 Fiscal Year Research-status Report
ベイジアンネットワークの構造学習で、離散と連続の属性が混在する場合
Project/Area Number |
24500172
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 譲 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50216397)
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Keywords | ベイジアンネットワーク / 構造学習 / 一致性 / モデル選択 / MDL原理 |
Research Abstract |
近年、データマイニングやパターン認識などの分野で、確率的知識の学習の研究がすすめられている。本研究では、実際例から、ベイジアンネットワーク(BN)の構造を学習する問題を検討している。BNは、確率変数に対応する属性を頂点で、その間の確率的因果関係を有向辺で表現した非巡回有向グラフとして、定義される。従来は、BNに含まれるすべての属性が離散、または、すべての属性が連続という非現実的な仮定のもとで検討されてきた。本研究では、離散や連続を仮定しない一般的なBNの構造学習の方法を確立することを目的としている。 本年度は、本研究を着手するきかっけとなったRyabko測度のユニバーサル性について、その適用条件を除去することに成功した。Ryabkoの方法を適用するには、分布をヒストグラムを用いて近似する必要がある。さらに、ユニバーサル性を保証するには、真の分布とのKullback-Leibler情報量が0に収束していくように、ヒストグラムの列を構成する必要がある。本年度は、その条件を常に満足するヒストグラムの列を実際に構成し、ユニバーサル性が常に成立することを証明した。その性質は、Ryabko測度を一般化した、昨年度に構成した測度についても、成立する。 さらに、最終年度に行う本研究の最も重要な問題を設定し、検討を開始した。すなわち、「実際例の個数が大きくなった場合に、この方法で推定した場合に、確率変数が連続の値を取る場合でも、真のBNの構造を選択するか」という命題である。確率変数がすべて離散の値を取る場合は、その命題が真であることが20年前に証明されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本研究を着手するきかっけとなったRyabko測度のユニバーサル性について、その適用条件を除去することに成功した。Ryabkoの方法を適用するには、分布をヒストグラムを用いて近似する必要がある。さらに、ユニバーサル性を保証するには、真の分布とのKullback-Leibler情報量が0に収束していくように、ヒストグラム列を構成する必要がある。本年度は、その条件を常に満足するヒストグラムの列を実際に構成し、ユニバーサル性が常に成立することを証明した。その性質は、Ryabko測度を一般化した、昨年度に構成した測度についても、成立する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に行う本研究の最も重要な問題を設定し、検討を開始した。すなわち、「実際例の個数が大きくなった場合に、この方法で推定した場合に、確率変数が連続の値を取る場合でも、真のBNの構造を選択するか」という命題である。確率変数がすべて離散の値を取る場合は、その命題が真であることが20年前に証明されている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成果発表の国際会議の開催が、2013年度に開催されず、2014年度になったため、その海外出張旅費相当分(40万円弱)を翌年度に繰り越した。 2014年7月に開催される、国際会議Uncertainty in Artificial Intelligence(Quebec City)での参加・講演に使用する。
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