2012 Fiscal Year Research-status Report
昆虫脳を模倣する制限付きカーネルマシンの開発と最大電力点追従装置への応用
Project/Area Number |
24500184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山内 康一郎 中部大学, 工学部, 教授 (00262949)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | kernel perceptron / 一般回帰ニューラルネットワーク / incremental learning / learning on a budget |
Research Abstract |
本研究では組み込み機器向けの微小の人工脳(人工昆虫脳)のアルゴリズムを開発し、それを太陽電池用の高速応答するコンバータを作成することを目的とする。 H24年度は、微小の人工脳(人工昆虫脳)のアルゴリズム開発を行った。人工昆虫脳では、記憶容量が上限に達すると、古い記憶の一部を忘却して新しいスペースを作り、そこに新しい知識を取りこむ工夫をする。主となる課題は、「どの記憶をどの程度忘却するかを最適に決める」方法にある。基本理論は2011年に発表したLimited General Regression Neural Network(LGRNN)とし、この理論を環境変化(事前分布の変化)に影響されないように拡張した、Importance Weighted Projection Method(重要度重み付き射影法)を開発した。これは過去に与えられたサンプルの分布を勘案した関数空間上の距離尺度を定義することによって、LGRNNに用意されている複数の学習戦略それぞれの適用後の効果を関数空間上で正確に予測できる特徴がある。これにより新しい知識の取り込み割合と過去の記憶の忘却率を最適化した。これは本来、General Regression Neural Network上で実現する理論として開発したが、海外での類似研究との差異と優位性を明確に示すため、まずはこれを他研究と同様のKernel Perceptronに適用しその有効性を示した。すなわち既存手法よりも少ないカーネル数で誤差を大きく下げることを確認した。この成果は2013年度の国際会議IJCNN2013に採択され、発表することが決まっている。また、Least Recently Used (LRU)法を利用して各サンプルの重要度重みを求める手法も開発した。 一方、後の実験の土台となる太陽電池一体型MPPTコンバータに関する特許申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外の研究者による類似研究が見つかり、これらとの研究との比較から、既に2011年に開発していたLimited General Regression(LGRNN)の抜本的改良が必要と判断した。そのため、カーネル法を使って、関数空間上で学習サンプル分布を勘案した距離尺度を新たに開発し、これを利用した重み付き射影学習アルゴリズムとして構築し直した。これにほぼ1年を要したため、当初の計画にあった不要次元の除去については現在研究途上にある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成24年度に開発したWeighted Projection Methodはkernel perceptronの上で開発したためこれをGeneral Regression Neural Network用として拡張すると共に、不要次元除去アルゴリズムを付加する。具体的には、GRNN上で各入力次元毎にその次元を取り除くことによる影響の量を定量化し、その影響の量があらかじめ設定した許容誤差範囲ならば除去するアルゴリズムとする。 2. 組み込み用RealTimeOS(RT-OS)を搭載したマイクロコンピュータを使用して開発した学習・認識アルゴリズムそれぞれを並行実行するアルゴリズムを構築する。これによってスループットを高める。RT-OSはμiTRONとし、マイクロコンピュータはARMコアを搭載するボードで行う予定である。 3.上記1,2と並行してコンバータの学習機能付きモデル制御を実現し、評価する。まずは降圧コンバータの入力電圧の急変への対処課題からスタートし、次に負荷の急変への対処を目指す。 4.太陽電池用MPPTコンバータに新しい学習アルゴリズムを適用し、日射変化の急変に即応するマイクロコンバータを作成する。特に大型風力発電器の下に太陽電池を設置した場合に不可避となるシャドーフリッカーに対しても問題が生じないコンバータの作成を目指したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(7 results)