2012 Fiscal Year Research-status Report
場を共有する手持ちビデオカメラ映像群からのカメラワーク合成
Project/Area Number |
24500199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
東海 彰吾 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50283627)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像 / 多視点 / カメラワーク |
Research Abstract |
場を共有する複数の撮影者が手動で操作するような手持ちカメラ群で撮影された多視点映像群から、シーン状況を分かりやすい形で可視化するための方法として、カメラの切り替えや注目被写体の画面構成調整など,シーン状況に応じたカメラワーク込みの映像コンテンツに加工する方法を開発するため、今年度は以下の事項について実施した。 研究設備として,映像処理用計算機と,複数の Android端末を撮影装置として導入し,既存のAndroid多視点撮影システムに組み入れる形で機能を整理し,撮影環境を構築した.特に,撮影装置端末として,Samsung 製の Galaxy Camera を選定することとした.この装置は,Android 端末であるだけでなく,高い倍率の光学ズーム機能を有するもので,撮影者の意図の反映や高画質な被写体映像の獲得が期待できる.さらに,ズーム操作を含めた撮影者による操作履歴を,映像や他の方位センサの情報と併せて記録する機能を実装した. 具体的な映像処理として,映像から特定の被写体の画面構成を制御した合成カメラワーク映像生成のため,単一のカメラにおいて首振り撮影された映像の,連続する映像フレームを繋ぎ合わせてパノラマ映像を作成する方法を開発した.今年度は特に,動きの少ないシーンの背景的部分を撮影した映像のフレーム画像から,画像上の特徴点の対応付けに基づいてパノラマ合成する方法を実装し,精度よくパノラマ合成できることを確認した. 国内旅費として,本研究課題に関連する調査を実施し、成果発表を指導学生とともに行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究設備、特に、撮影装置が国内販売されていない物品であった事から、最終的な機種選定から導入までに予想より時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
まず,当初の平成24年度実施計画に掲げた事項として進捗に遅れがでている,映像からの被写体情報の抽出に注力して研究を進める.これは,個々の撮影映像について,カメラの位置と撮影方位の情報から,手持ち操作による動きのみが現れる背景領域と,被写体の動きが重畳する前景部分を分離する方法を確立することである. 引き続いて,当初の平成25年度実施計画の項目である,複数映像間での被写体領域の関係付けについて研究を進める.個々の撮影映像で得られた,画像上の領域としての被写体候補について,複数の映像の間での位置関係の幾何学的な妥当性の判定と,カラーヒストグラムなど画像上の特徴量に基づいて,領域どうしを関係付ける方法を開発する. さらに,これらの関係付けの結果に基づいて,基礎的なシーン状況設定における簡易なカメラワーク映像の獲得を実現する.具体的には,指定した被写体について,その移動状況を説明しやすいカメラワークとして,移動の方向や,加工後の映像における被写体の動きの連続性に基づいた評価によって,カメラの切り替えを決定する方法を検討する. また,平成24年度の計画で実施が不十分であった,関連研究調査や対外発表に関する国内および外国への旅費の執行について,当初計画の規模を目指して積極的に実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費としては、映像処理能力の向上を図るための映像処理用計算機の導入、および、今年度の当初計画からの撮影装置の台数の不足分の拡充を行う。 旅費としては、特に今年度執行できなかった外国旅費を中心に、調査および研究成果発表を積極的に行う。 人件費・謝金については、導入した撮影装置台数に見合う規模の撮影実験を実施して、研究上有用な多視点映像データを取得する。 その他については、成果発表のための、会議参加費、および、論文投稿料として支出する。
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