2013 Fiscal Year Research-status Report
ブール代数的パターン認識によるゲノムデータと臨床データを統合した肝癌再発予測
Project/Area Number |
24500206
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
浜本 義彦 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 悠介 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40509527)
飯塚 徳男 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (80332807)
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Keywords | 癌 / 診断 / パターン認識 |
Research Abstract |
本研究では、国民的課題となっている難治性の高い肝癌の再発予測を血液検査のデータと術後情報のデータから行うことを目的としている。一般に臨床データは質的データと量的データが混在しているため、本研究では量的データに対しては2値化を行って質的データと統合化している。統合化された2値パターンの識別はブール代数に基づく独自の識別理論により行う。 24年度では量的データとして肝癌の代表的な腫瘍マーカーであるAFPとPIVKA、そして肝臓の状態を表すマーカーなどを用い、質的データとしては術後情報からのデータである腫瘍数、腫瘍サイズ、血管浸潤などが有力な候補として選択され、これらのマーカーを用いて識別器の設計と評価を行ってきた。 25年度では、医学部から提供された大量のデータを用い、24年度の成果を踏まえて再発予測システムの設計と評価を行った。特に臨床現場での利用を視野に入れた、実用性の高いシステムの開発を目指し、従来の予測システムの性能を超えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
識別器に用いるマーカーの絞り込みが終了し、肝癌の再発予測には、術後情報である腫瘍数、腫瘍サイズと血管浸潤、それにICGなどの肝臓の状態を表すマーカーが有効という結果を得た。更に、これらのマーカーから得られる2値パターンに対する高精度な識別器を設計し、従来の代表的な肝癌再発予測のスコア式であるTokyo-Scoreの識別性能を上回り、肝癌の早期再発予測を可能とする感度86%を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
大量データを用いた本再発予測システムの性能評価を行い、識別精度を更に高める改良を行う。これと並行して論文発表および特許出願を進め、パートナーとなりえる企業を探して事業化を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年11月に、論文を投稿して、26年6月に開催される国際会議への参加を計画していたため。 国際会議:27th International Conference on Industrial, Engineering & Other Applications of Applied Intelligent Systems,Kaohsiung, Taiwan
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