2012 Fiscal Year Research-status Report
マラリア媒介体・羽斑蚊の行動分析に向けた動画像検出・追跡処理技術の構築
Project/Area Number |
24500207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高橋 悟 香川大学, 工学部, 准教授 (50297579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 俊一 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (50134789)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 方向符号照合法 / 粒子フィルタ / 画像処理 / 画像理解 |
Research Abstract |
マラリア原虫を媒介する節足動物・羽斑蚊の行動を観測し、分析するために必要な高精度動画像検出・追跡処理技術の構築を図る。特に、環境の明るさ変動による画像輝度変化や羽斑蚊の非線形運動に伴う見かけ上の形状変化に対応し、かつその非線形運動を考慮した移動位置推定を視野に入れた新たな手法の確立を目指すことが目的である。 まず、羽斑蚊個体の検出を高精度に行うために、方符号照合法に基づくマルチテンプレート手法を導入した。時刻k以前における羽斑蚊の方向符号画像を符号照合に利用することで、背景情報による誤検出の低減を図った。また、時刻kにおける対象画像と時刻k以前におけるテンプレート画像n枚の方向符号の値の比較を行い、各テンプレート画像と対象画像の平均残差絶対値を求める。そして、n枚のテンプレートより得られた平均残差絶対値の平均値を方向符号照合に適用し、羽斑蚊の検出を行った。すなわち、対象画像からマルチテンプレート画像と類似性の高い画素を抽出する手法を構築した。 次に、ここで羽斑蚊が検出される位置を画像間において、方向符号の残差絶対の総和から移動量と移動角を求め、各個体の照合位置毎に比較し、複数の羽斑蚊の個体識別を行うことを実施した。また、方向符号の画像分布を個体毎に比較することは、画像毎の固有性を強く保有し、無相関画像同士の類似度の定常性を保持する方向符号の特長からも有益な手法である。 上述した手法を用いることにより、マルチテンプレート方向符号照合法を基礎とした高精度な羽斑蚊検出手法の検討実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移動体である羽斑蚊個体の検出を行うために必要な方符号照合法に基づく複数枚のマルチテンプレートを用いたアルゴリズムを開発した。このとき、過去の背景情報を用いることで、誤検出の低減を図った。実際には、各テンプレート画像と対象画像の平均残差絶対値を求め、n枚のテンプレートより得られた平均残差絶対値の平均値を方向符号照合に適用し、羽斑蚊の検出を可能とした。すなわち、対象画像からマルチテンプレート画像と類似性の高い画素を抽出するアルゴリズムを開発し、実際の動画像に本アルゴリズムを適用し、羽斑蚊の検出を行った。 さらに、羽斑蚊が検出された位置を画像間において、方向符号の残差絶対の総和から移動量と移動角を求め、各個体の照合位置毎に比較し、複数の羽斑蚊の個体識別を可能とした。 これらのマルチテンプレートに基づく方向符号照合法をベースにしたことにより、羽斑蚊の検出手法が構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
動画像中の羽斑蚊を検出可能となったため、次に羽斑蚊の位置推定を非線形運動の推定ファイルである粒子フィルタを用いて実施することを検討する。このとき、方向符号の有効ヒストグラムと微小時間における運動予測式に従い、各尤度関数を定め統合し、粒子フィルタの最適尤度関数を決定をすることを考える。参照画像内の有効符号と対象画像領域の有効符号をヒストグラム化し、ヒストグラム交差法から最適評価式を定め、それに伴う尤度関数1を定義する。さらに、羽斑蚊の微小時間内における運動を等速と仮定し、それより尤度関数2を定める。これら二つの尤度関数を合成し、位置推定のための粒子フィルタの尤度関数を定め、複合的に羽斑蚊の位置推定を実施する。そして、平成24年度の成果である検出した羽斑蚊に対して位置推定を組みし、複数の羽斑蚊の位置推定を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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