2013 Fiscal Year Research-status Report
マラリア媒介体・羽斑蚊の行動分析に向けた動画像検出・追跡処理技術の構築
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24500207
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高橋 悟 香川大学, 工学部, 准教授 (50297579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 俊一 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (50134789)
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Keywords | 方向符号照合法 / 粒子フィルタ / 画像処理 / 画像理解 |
Research Abstract |
研究目的であるマラリア原虫を媒介する羽斑蚊の行動を観測し、分析するために必要な高精度動画像検出・追跡処理技術の構築するために、環境の明るさ変動による画像輝度変化や羽斑蚊の非線形運動に伴う見かけ上の形状変化に対応し、かつその非線形運動を考慮した移動位置推定を視野に入れた新たな手法の確立を目指す。 特に、羽斑蚊の位置推定を行うために、羽斑蚊の非線形運動の推定に有効である粒子フィルタを適用した。このとき、方向符号の有効ヒストグラムと微小時間区間における運動予測式をたて、かつ各尤度関数を決定し、統合することで粒子フィルタの最適尤度関数を定義する。 このとき、参照画像内の有効符号と対象画像領域の有効符号をヒストグラム化し、ヒストグラム交差法から最適評価式を定め、それに伴う尤度関数L1を定める。尤度関数L1は有効符号の尤度を基に定めるため、参照画像と対象画像が近いとき、その尤度は高くなるように指定する。さらに、羽斑蚊の微小時間区間内における運動を等速直線運動と仮定し、それに基づく尤度関数L2を定める。このL2の尤度は、推定位置と粒子分布の距離が近いほど、その尤度を高くすることが可能である。 これら二つの尤度関数を合成し、位置推定のための粒子フィルタの尤度関数LをL= L1 ×L2とし、最適化を図った。そして、この合成尤度関数Lが最大となる粒子座標を代表点とした画素位置を羽斑蚊の推定位置とおく。この結果、検出されている羽斑蚊個体に対してこの粒子フィルタ手法である位置推定法を施し、複数の羽斑蚊の位置推定を可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
羽斑蚊に対する方向符号ヒストグラムと微小時間における羽斑蚊の運動評価式に基づき、粒子フィルタの最適な尤度関数を各々設計できた。 ここでは、参照画像内の有効符号と対象画像領域の有効符号をヒストグラム化して得られる尤度関数L1と羽斑蚊の微小時間区間内における運動を等速直線運動と仮定しそれに基づく定めた尤度関数L2を設計し、そしてそれら二つの尤度関数を掛け合わせることで合成尤度関数Lを設計した。 この合成尤度関数を羽斑蚊の位置推定に用いることで、同時に複数の羽斑蚊に対する個体位置推定が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後推進内容は、現在達成されている羽斑蚊の個体位置推定に基づき、時系列的に個体毎の逐次追跡を実施する。 このとき、方向符号の類似度と推定位置の粒子代表点との距離を評価関数に適用し、その最小値を取る画像座標値を羽斑蚊の存在位置として逐次定め、時系列追尾を可能とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
支出費目のうち微小な端数が差額残額として残ったため。 微小額なため、翌年度のその他経費として使用を考える。
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