2013 Fiscal Year Research-status Report
色覚シミュレーション,色覚特性測定と色覚画像補正の研究
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24500212
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
福田 宏 北里大学, 一般教育部, 准教授 (70238484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野城 真理 北里大学, 医療衛生学部, 名誉教授 (80014231)
石川 均 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80265701)
浅川 賢 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (60582749)
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Keywords | Color Vision / Computer Vision / Dichromats / Simulation / Confusion Color |
Research Abstract |
平成25年度は,平成24年度に完成し,その有効性が検証された,「明るさの比例則」に基づくディスプレィの全色域で発色が可能な2色覚シミュレータについての論文を執筆投稿し,国際会議で発表した。投稿した論文について,複数の査読者から,多くのコメントをもらい,研究の欠点と方向性を指摘され,研究の位置づけについて再考察することになった。 通常の2色覚シミュレーションは,片目だけが2色型の「片目二色型者」の色の見え方に基づいてシミュレーションをおこなうか,ある程度認められた錐体から脳に至る色情報処理モデルに基づくシミュレーションが行われる。これが本来の色覚シミュレーションである。 一方,我々の2色覚シミュレーションでは,そのような色覚実験結果も色覚メカニズムも考慮していない。論文査読者とのやりとりから,我々のシミュレーションは色覚シミュレーションと呼ぶべきではなく,混同色シミュレーションと呼ぶべきものであることが明らかにされた。ここで提唱された,混同色シミュレーションとは2色覚者が区別できない色の集合を,ある制約条件に基づいて一色に置き換えるシミュレーションである。 平成25年度は,このように研究の位置づけを客観的にはっきりさせた上で,制約条件として「明るさの比例則」と「ディスプレィの全色域で発色が可能」であることを要請すると,どのようなディスプレィに対しても,混同色として置き換えるべき色がユニークに決定されてしまうという,数学的性質(定理)を,証明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文を投稿したことにより,研究の位置づけをはっきりさせることができ,「明るさの比例則」と「ディスプレィの全色域で発色が可能」な2色覚混同色シミュレーションの唯一性を数学的定理として証明することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,平成25年度に明らかになった,研究の位置づけをもとに,既存の色覚シミュレーションとの比較データを揃えて,混同色シミュレーションの論文を完成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成果発表用サーバーコンピュータの価格,及び国際会議参加費が予想より安かったため。 サーバーコンピュータ付属品,学会参加費,論文投稿費用。
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