2012 Fiscal Year Research-status Report
ディジタル映像アーカイブのための画像修復システムの開発
Project/Area Number |
24500218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
武尾 英哉 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (90434414)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像処理 / 人工知能 / 認知工学 / 経年劣化ノイズ抑制処理 / モデル化 / システム工学 / 実用化 |
Research Abstract |
(1)フォーカス微動に対する抑制処理の完成 フイルム転写時や場合によっては撮影時にフォーカスがフレーム毎に微変動し,画像がボケたり鮮明になったりする現象をフォーカス微動という.この現象を抑制するために,実空間上で演算が行えるボケマスク処理とフィルタリング処理を開発した.これにより,均一化した強調処理を施すことができるようになった.理想的にはフーリエ変換等を利用して空間周波数における解析が好ましい.しかし,フーリエ変換は高速演算法があるものの実用化を考えると処理的にもハード的にも適した処理とは言えない.そこで本研究では,演算が簡易なボケマスク処理によるフレーム間比較演算により実現し,画像のフォーカス変動の程度を自動的に予測することができるようになった.その予測値に応じて,逆方向の強調処理(ボケている場合は強調処理,鮮明さが強すぎる場合は抑制処理)を施すことによって,フォーカス変動を均一化することができるようになった.複数の動画像で検証し,その効果を確認でき,処理の汎用性も確認することができた. (2)システムソフトウエアの開発 これまでの4つのノイズ抑制処理(フリッカーノイズ抑制処理,スクラッチノイズ抑制処理,フレームの不規則な揺れ抑制処理,ブロッチノイズ抑制処理)を統合し,ソフトウエアとして整備した.具体的には,関数の共通化や処理ルーチンの簡素化や高速化などのソースコード整理を行い,ソフトウエアとして安定化及び高速化を図った.その結果,約30%の処理の高速化を達成した.さらに,システム化を検討し,ユーザインターフェイスを設計し,開発者以外の人でも操作できるような統合ノイズ抑制処理ソフトウエアVersion1.0を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通り,フォーカス微動に対する抑制処理が完成したこと,ソフトウエアテクニックにより約30%の高速化が実現できたこと,さらにはシステムソフトウエアが完成したことなどから,当初の計画は充分に達成している. さらに来年度は,本年度新規に開発した抑制処理をシステムソフトウエアに組み込み,さっそく実フイルムに実現できる.また,1年前倒しで(当初再来年度の計画),ビデオ映像への適用も可能であり,それぞれの結果を早期に評価できるようになった.これにより,さらに1ランク高性能なアルゴリズムを開発でき,システムのバージョンアップ(Version2.0)の可能性が高まり,レベルアップができそうである. 以上のように,本年度の成果は当初の計画以上に進行しており,再来年度には充分に高性能な統合ノイス抑制システムが完成できる可能性が高まった.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は,このソフトウエアを実際にユーザに使って頂くことを考えている. また今年度の成果である「フォーカス微動に対する抑制処理」を統合ノイズ抑制処理ソフトウエアVersion1.0に組み込むこと,更なる高速化,実フイルムやビデオ映像での評価等を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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