2012 Fiscal Year Research-status Report
端末内蔵慣性センサと超音波センサを用いた屋内測位基盤の構成法に関する研究開発
Project/Area Number |
24500219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 博 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (00434415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五百蔵 重典 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (20318992)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | センサ融合・統合 / センサーネットワーク / ユビキタスコンピューティング / 屋内測位 / 慣性センサー / 超音波センサー |
Research Abstract |
経済的な広域屋内測位基盤の確立をめざし、スマートフォンに実装されている慣性センサによる慣性測位と超音波を融合させた高精度な測位による測位プラットフォームの構成法とその検証を進めている。以下に、H24年度の実績を示す。 1.慣性センサを用いた相対測位:歩行にともなう振動の影響を抑えるためにIIRフィルタの適用を提案し、スマートフォン(Android端末(Galaxy Nexus(SC04-D))内に歩数検出、曲り検出のロジックを実装した。手で所持、腰に装着、胸ポケットに収納、上腕にベルトで装着の構成で評価実験を行い、両者ともほぼ±2%以内の誤差で検出できることを確認した。腰への装着時では、被験者によっては検出精度劣化があり、この点の改善が課題である。 2.広域測位に向けた超音波測位:広域な測位エリアを実現する上で不可欠なケーブル敷設の容易化のために、従来の超音波の受信信号を一つのFPGAに集約する集中型構成から低価格の複数のマイコン(PIC16F1823)を分散配置する構成での超音波測位システムを試作し、超音波受信センサを学内廊下の天井に約18mの領域にわたって設置した。今年度前半に測位ロジックを実装し、超音波測位システムとしての評価を行う予定である。 3.屋内測位基盤プラットフォーム:第一ステップとして、上記2つの手法による測位結果と地図情報を格納するデータベースを設計・構築し、格納機能とともにオープンソースソフトウェアであるMapServerを用いて測位結果をリアルタイムに移動履歴として屋内地図上に表示する機能を確認した。 これらの成果は、測位航法学会論文誌(査読付:Vol.3,No.1,pp.1-8)に掲載された。また、電子情報通信学会の研究会、総合大会等で5件発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慣性測位に関しては、装着箇所や被験者によっては検出精度の劣化があるため、高精度化のためのパラメータチューニングを行う予定にしている。一方、超音波測位システムのハードの試作と測位基盤プラットフォームとしての地図情報データベースの設計と動作確認まで行えた点は、当初の計画以上に進展している。慣性測位の評価実験には時間を要するため、計画全体として総合的に評価すると概ね予定通りの進捗となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
屋内測位基盤の構成法として成果を出すためには、実験による技術評価とともに実利用を想定したユーザビリティ評価も重要な項目と考えられる。以下の観点を重視し、研究を推進していく。 (1)実験による評価の徹底 慣性測位に関しては、ユーザの歩行特性に依存する性質がある。実験による評価を徹底し、その精度限界を明確にするとともに、ユーザに応じた補正方法も合わせて検討する。 (2)外部との連携の推進 類似研究を行っている研究者との連携によるシステム改善、実利用者となりうるユーザの開拓とそのユーザによる評価の実施、実フィールドでの実験を目標に外部との連携を模索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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