2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500220
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
平山 亮 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (70329374)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 舌 / 調音運動 / 音声生成 / 外舌筋 / 模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、舌の調音機構解明、音声科学教育、構音指導、発話ロボット開発などに役立てるため、舌の調音運動模型を作成するものである。 研究期間を通し、各種の舌模型製作を継続的に行い、研究期間の後半では、より実物に近い精度の高い模型製作を行うため、また、模型と実物の形状及び動きの差異を評価するため、発話中の舌形状及び運動を磁気計測装置及びMRI装置を用いて計測し分析した。 模型製作においては、まず粘弾性のある材料を使い、舌全体の形状模型を制作した。続いて、外舌筋(オトガイ舌筋前部、オトガイ舌筋後部、茎突舌筋、舌骨舌筋、口蓋舌筋)、内舌筋(上縦舌筋、下縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋)分割することのできる形状模型を粘弾性素材及び硬質素材を用いて行った。また着色方法について検討し実際の舌に近い色の顔料及び塗料を使用してよりリアリティのある模型を製作した。最後に、合成ゴム及びナイロン糸による擬似的な筋を埋め込み、外舌筋(オトガイ舌筋前部、オトガイ舌筋後部、茎突舌筋、舌骨舌筋、口蓋舌筋)による、主に母音調音における舌形状の変形を模擬できる模型、内舌筋(上縦舌筋、下縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋)を考慮にいれた舌の反りなどの運動を再現できる模型を制作した。 舌の形状及び運動計測については、日本語の全ての音韻発話及び日本語短文を発話中の形状及び運動を計測する実験を、音声運動計測専用の磁気式モーションキャプチャ装置による舌上に貼付した複数のマーカーを計測する実験、強磁場のMRI装置を使って舌の形状を高精度に計測する実験、及び発話運動を動画として計測する実験を行い、舌形状及び運動を詳細に分析した。 これらの一連の模型製作及び舌形状・運動計測により、従来は直感的に理解するのが難しく未解明の部分もある発話における舌の役割について、音声科学教育及び音声研究の分野において、より理解を深めるのに役立つことができた。
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