2012 Fiscal Year Research-status Report
初等中等教育における教育・学習支援のための音声言語処理の研究
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24500225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
南條 浩輝 龍谷大学, 理工学部, 助教 (50388162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 博光 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (40362082)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音声言語処理 / 音声認識 / 初等中等教育 / 教育支援 / 学習支援 |
Research Abstract |
日本語の子ども向け授業音声のコーパス化を実施した。具体的には、書き起こしテキストの付与および発話速度の分析を行った。発話速度の分析は発話単位と文節単位で行った。発話速度が極端に速いまたは遅い箇所では音声認識への影響が大きいため、そのような箇所でどのような内容が発話されているかを調査し、音声認識や内容理解にとって重要かの調査に取り組んだ。注意喚起や強調など重要である場合は発話速度に応じた音声認識を行い高精度に認識する重要性を、重要でない場合は認識や内容理解の処理対象から除くことができるという知見を得ることができる。 子ども向け発話の音声認識向上のための基礎研究を実施した。子ども向け発話の言語的特徴が、大人向けテキストで学習した言語モデルでどの程度モデル化できているかを調べ、子ども向け表現をWEBテキストからモデル化する方法(テキスト中の子ども向け表現の抽出方法)を研究した。さらに、複数のモデルを用いて音声認識し、結果を重要度を考慮して統合する音声認識方式を検討した。 教育支援・教材作成支援・自習支援システムのための要素技術の研究を実施した。具体的には、発話中に含まれる特定の単語(キーワード)が話されている箇所を取り出す技術(音声検索語検出)および、目的とする内容の検索技術(自然言語による音声ドキュメント検索)の研究を実施した。さらに、これらの要素技術を発展させるための研究基盤の整備(NTCIR-10のタスク設置)を行った。研究の活性化・高度化および種々の知見の収集が可能となるため、意義深い。 研究の効率的な遂行のための情報収集を実施し、研究成果の報告・公開を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子ども向け授業音声の分析とコーパス化は順調に進んでおり、また、大人向け発話との相違点の分析に向けて種々の取り組みを実施できているため。 子ども向け授業音声の音声認識の問題、困難な点を明確化するための課題に取り組んでおり、現状の音声認識システムの限界が明らかになりつつある。また、当初の予定よりも早く、複数のモデルを用いた音声認識と音声認識結果の統合的利用のための研究基盤の整備に取り組んでいるため。 教育支援・教材作成支援・自習支援システムのための要素技術の研究および研究基盤整備に取り組んでおり、要素技術の発展に取り組んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
日本語の子ども向け授業音声の収集・コーパス作成 -- 子ども向け授業音声の収集を推進したい。収録した音声に対しては、その発話内容を書き起こしてテキストを付与する。発話速度以外の分析、たとえば発音の明瞭度、F0の変化などを調査したい。 子ども向け授業用の音声認識システムの設計・高精度化 -- 現状の音声認識システムの限界を探り、言語モデルの子ども向け発話適応、話題(授業単元)適応、複数モデルを用いた音声認識方式について研究を推進したい。 教育支援・教材作成支援・自習支援システムのための要素技術の研究 -- 音声ドキュメント検索・音声検索語検出、支援インターフェースに関する研究を推進したい。インターフェースとしては大型タブレット端末を想定しており、その上での要素技術の評価を行いたい。 研究の効率的な遂行のための情報・資料収集を実施し、研究成果の報告・公開を推進したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、課題遂行のための計算機、成果報告用のノートPC、検索実験用のタブレット端末、データ収録機材・保存媒体の購入費を計上している。 旅費として、成果報告・情報収集のための費用を計上している。 人件費・謝金として、データ収録・整理補助、実験補助の費用を計上している。 その他の費用として、成果投稿料、通信費を計上している。
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[Journal Article] 音声中の検索語検出のためのテストコレクションの構築と分析2013
Author(s)
伊藤慶明, 西崎博光, 中川聖一, 秋葉友良, 河原達也, 胡新輝, 南條浩輝, 松井知子, 山下洋一, 相川清明
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Journal Title
情報処理学会論文誌
Volume: Vol. 54, No. 2
Pages: 471-483
Peer Reviewed
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