2014 Fiscal Year Annual Research Report
初等中等教育における教育・学習支援のための音声言語処理の研究
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24500225
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
南條 浩輝 龍谷大学, 理工学部, 助教 (50388162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 博光 山梨大学, 総合研究部, 助教 (40362082)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音声言語処理 / 音声認識 / 初等中等教育 / 教育支援 / 学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、初等中等教育における授業音声の再利用システムの基盤形成を目指して、1)授業音声コーパスの作成、2)授業音声の音声認識、3)教育・自習支援のための授業音声のデータベース化と検索技術、に主な焦点をあてている。本年度の研究実績概要は次の通りである。 14名による44の小学校授業音声について、特徴の分析を試みた。小学校授業音声において、母音の引き伸ばしや言いよどみ、子供向け発話特有の表現などの各種発話イベントがどの程度含まれるか、それらと授業における強調箇所や重要箇所との関係の解明を試みた。これらの解明は、授業音声認識・データベース化のための知見となるだけでなく、「授業におけるよい話し方」の知見ともなりうる、意義深いものである。 小学校授業の音声認識では、実際の小学校授業音声の書き起こしを利用した言語・音響モデルの学習について研究を推進し、その効果を確認した。N-gram言語モデル、深層ニューラルネットワークによる音響モデル、WFSTデコーダを用いて音声認識システムを構成し、音声認識精度を確認した。これは、今後の小学校授業の音声認識の基本的資料(ベースライン)となるものであり、意義深い。 教育・自習支援のための授業音声の検索技術については、その要素技術の深化に取り組んだ。具体的には、発話中のキーワードを取り出す音声検索語検出、および、知りたい内容が話されている箇所を取り出す音声内容検索について研究を推進した。その際、子供による利用を想定し、入力を補助する研究(クエリ拡張)に重点をおいた。さらに、これらの要素技術を発展させるための研究基盤の整備(NTCIR-11のタスク設置)にも貢献を行った。またタブレットをクライアントとする音声内容検索システムを構築し、被験者実験による評価を行うための基盤を形成した。 研究遂行のための情報収集を実施し、研究成果の報告・公開を実施した。
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