2012 Fiscal Year Research-status Report
画像と局所特徴量の部分集合族によるマルチラベル画像分類システムの開発
Project/Area Number |
24500228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
天元 宏 釧路工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (80321371)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
1.提案手法を計算機上に教師無し画像分類システムとして実装した。具体的には、①個々の画像より多数の局所特徴量を抽出し、ベクトル量子化により局所特徴量の辞書を構築した。②個々の画像に対し、抽出した各局所特徴量と辞書を比較し、その画像に含まれる局所特徴量のヒストグラムを算出した。この処理により、個々の画像がそれぞれ一つのヒストグラムに変換された。③一定の条件下で限界まで拡大した部分集合の族を求めた。部分集合の拡大を試みる順として、まだ被覆されていない画像を重点的に優先する重み付きランダム順列を用いた。個々の画像は複数のクラスタに所属し得るため、マルチラベルの分類結果となることを確認した。 2.画像認識研究用の画像セットとして広く用いられているCaltech256を入手し、提案手法の検証のための大規模データベースとして利用できる様に整備する作業に着手した。画像セット中の各画像に対して随時、特徴抽出処理を施し、局所特徴量の頻度ヒストグラム表現によるデータベースとして保存している。 3.提案手法の小規模な実験用画像への試験的適用の結果を報告にまとめ、釧路工業高等専門学校紀要第46号に掲載した。 4.広島で12月に開催されたS+SSPR2012(第9回統計的パターン認識に関する国際会議)に参加し、提案手法に関連する主に基礎理論方面に関して情報収集を行った。また、京都で1月に開催された電子情報通信学会PRMU(パターン認識・メディア理解)研究会に参加し、提案手法に関連する主に応用研究方面に関して情報収集を行った。 5.平成25年度以降の計画に先行し、北海道大学教授およびチェコ科学アカデミーパターン認識部門の博士と電子メールにて連絡を取り、提案手法の統計的パターン認識及び画像認識分野における適用可能性について検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では画像データ全体をクラスタの集合に分割するのではなく、共通の性質を持つ画像と局所特徴量の組合せである部分集合を確率的アルゴリズムにより列挙し、その部分集合族で画像データ全体を被覆することで、従来手法では難しい各画像の複数クラスタへの所属を積極的に認める画像分類システムを実現することを目的とする。さらに、システム構築後に、1.得られた部分集合族とユーザーの感性との一致性、2.データの規模とアルゴリズムの必要計算コストの関係、3.Visual Wordsによる視覚的ラベルの有効性、4.画像とメタデータを統合した階層的ブラウザの可能性を明らかにすることを目的としている。平成24年度は主に、これらを実現するための基礎となる提案手法の計算機上への画像分類システムとしての実装までを行った。そのため、上記項目1,2について、小規模な実験用画像への試験的適用による評価に留まっている。また、項目3,4については未着手である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は主に、提案手法の計算機上への画像分類システムとしての実装までを行った。そのため、小規模な実験用画像への試験的適用による評価に留まっている。今後はまず、Caltech等の画像認識研究用の画像セットを提案手法の検証のためにデータベースとして利用できる様に整備する作業を早急に進め、大規模な画像データに対して実験を行い、ユーザーの感性との一致性等の評価を行いたい。それと平行して、画像とメタデータを統合した階層的画像データセットブラウザの試作開発を行うこと、および、本研究の成果のウェブサイトによる社会公開にも着手したい。また、研究成果の発表や論文誌への投稿についても積極的に進めると同時に、関連する研究を行っている北海道大学教授やチェコ科学アカデミーパターン認識部門の博士らと議論し、統計的パターン認識及び画像認識の分野から本研究課題へのフィードバックを行ないたい。その他、パターン認識データにおける識別構造の可視化手法への応用を検討することや、特徴選択手法との統合による、標本の個体とそれを表現する特徴の部分集合族による識別及びクラスタリングの手法について、特に応用面からの要求に答えられる、包括的な手法・理論のまとめに取り掛かりたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月末時点の収支簿では6,993円の残額があるが、3月納品、4月支払となるためである。
|
Research Products
(1 results)