2013 Fiscal Year Research-status Report
画像と局所特徴量の部分集合族によるマルチラベル画像分類システムの開発
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24500228
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
天元 宏 釧路工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (80321371)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
1. 引き続き、提案アルゴリズムを画像分類システムとして実装する作業を進めた。特に、申請書記載の手順③で「全体の平均以上でかつ共通の成分を一定数以上保持するという条件で、限界まで拡大した部分集合を求める」箇所について、当初計画に立てた手法以外にも様々な案を検討し、実装・実験を行った。2. 引き続き、画像セットを入手し、データベースとして利用できる様に整備を進めた。当初計画では主にCaltech256の使用を想定していたが、検討の結果、本研究の目的にはVOC2006が適していると考えられるため、これも加えた。3. 引き続き、各画像に対して随時、局所特徴量への特徴抽出処理を施し、頻度ヒストグラム表現によるデータベースの構築を進めた。4. 12月に三重で開催されたパターン認識・メディア理解研究会(PRMU)に参加し、提案手法に関連する研究について情報収集を行った。5. 提案手法で得られた画像と局所特徴量の部分集合族の、ユーザーの感性との一致性を調査するため、特徴選択手法との統合による重要キーポイント画像の提示手法を検討し実験を行い、その概要をICPR2014のワークショップの一つであるFEAST2014に投稿した。6. チェコ科学アカデミーのHaindl博士と連絡・議論し、テクスチャー解析への応用の可能性を検討した。その結果、博士らが提案しているBTF特徴の利用により、ICPR2014のコンテストの一つであるUnsupervised Image Segmentationへの投稿参加を目標として実験を進めた。7. 本課題の基礎理論の、強化学習方面への発展の一つとして模索していた、パターン認識手法の強化学習への応用課題について、国際会議KES2014に投稿し、採択が認められた。8. フィンランドのアールト大学のOvaska教授と本課題に関連する基礎理論に関して、また、トゥルク応用科学大学のGranholm講師と本課題に関連する応用に関して議論を深め、これ以降へのフィードバックとなり得るアイデアを交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 提案アルゴリズムの画像分類システムとしての実装作業は、中心となる部分ではほぼ終えているが、メタデータとの統合による画像ブラウザの開発等、インターフェース面で滞っている。2. 画像セットの入手とデータベースの整理に関して、十分な量とはいえない状況であるため、今後も本課題に適した画像セットの検討と入手・整理を進める。また、局所特徴量への特徴抽出処理も施し、頻度ヒストグラム表現によるデータベースの構築も進める。3. 平成26年度に予定していた、提案手法で得られた画像と局所特徴量の部分集合族の、ユーザーの感性との一致性の調査に関しては、研究代表者らが別に提案している特徴選択手法との統合による重要キーポイント画像の提示手法を検討し実験を行い、その概要をICPR2014のワークショップの一つに投稿することができた。この点においては、当初計画より早く進めることができているといえる。4. チェコ科学アカデミーのMichal Haindl博士との連絡・議論に関しては、ICPR2014のコンテストの一つであるUnsupervised Image Segmentationへの投稿参加を目標として実験を進めているが、今後も継続する。5. 平成26年度に予定していた、本課題の基礎理論の発展先の一つとして模索していた、パターン認識手法の強化学習への応用課題について、国際会議KES2014に投稿し、採択が認められた。この点においても、当初計画より早く進められているといえる。6. フィンランドのアールト大学のSeppo Ovaska教授およびトゥルク応用科学大学のPatric Granhold講師と本課題に関連する応用に関して議論を深め、フィードバックとなり得るアイデアを交換することができた。これも当初計画には明確にはなかった点であるが、国際交流による研究発展として、有意義な成果を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 国際会議KES2014にて、本課題の基礎理論の発展先の一つとして模索していた、パターン認識手法の強化学習への応用課題について発表する。このKESは知識処理に関する幅広い内容を扱う国際会議であり、提案手法の応用面において、有力なアドバイスが得られると期待している。2. 国際会議SPR2014にて情報収集を行う。このSPRは統計的パターン認識に関する国際会議であり、本研究課題に関する最も有力なアドバイスが得られると期待している。3. 研究代表者らが別に提案している特徴選択手法との統合による重要キーポイント画像の提示手法を検討し実験を行った結果について、その概要をICPR2014のワークショップの一つであるFEAST2014に投稿しているため、これが採択された場合、発表を行い、重要なフィードバックを得る。4. テクスチャー検索等、実際に社会で必要とされている大規模データを対象に提案手法の有効性について実験的に評価試験を行う。データは引き続きチェコ科学アカデミーのHaindl博士の研究グループから入手する。5. 提案手法の、パターン認識における識別構造の可視化手法への応用を検討する。この分野においては千葉大学の森助教並びに北海道大学の工藤教授が先進の成果を挙げているため、両研究者との研究交流を進める。6. 画像とメタデータを統合した階層的画像データセットブラウザの試作開発を行う。また、本研究での成果をウェブサイトとして整備し、社会へ公開する。7. 研究成果を総括し、残った課題を整理し、その後の研究計画を立案する。現在、本課題との関連が強い研究として、研究代表者らが別に提案している特徴選択手法の開発との統合を行っているが、標本の個体とそれを表現する特徴の部分集合族による識別及びクラスタリングの手法について、特に応用面からの要求に答えられる包括的な手法・理論のまとめに取り掛かる。
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