2012 Fiscal Year Research-status Report
動画像処理を応用した屋外環境の三次元モデル化に関する研究
Project/Area Number |
24500234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Prefectural Institute of Technology |
Principal Investigator |
金谷 典武 兵庫県立工業技術センター, 技術支援部, 主席研究員 (10470254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横矢 直和 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10252834)
佐藤 智和 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (50362835)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像処理 / 屋外環境 / 三次元モデル / 移動物体 / 三次元点群 |
Research Abstract |
屋外環境の三次元モデルを自動で生成するための研究が盛んに行われている。三次元モデル生成のためには屋外環境を測定する必要があるが、測定時に移動物体が含まれると、移動物体が存在した場所の後方のデータが取得できなくなり、三次元モデルに欠損が生じる。本研究では、この問題を解決するために、移動物体が含まれる屋外環境の測定データから、移動物体の判定を行いながら三次元モデルを生成する「動画像処理を応用した屋外環境の三次元モデル化に関する研究」に取り組んでいる。具体的には、複数のセンサ(レンジファインダと全方位カメラ、RTK-GPSとジャイロセンサ)を搭載した自動車(以下、装置と略す。)を利用して、移動物体が含まれる屋外環境の測定を行い、得られた測定データから移動物体の情報を除去するために、移動物体を判定する手法の開発を行っている。平成24年度の研究では、レンジファインダから得られる点群データと全方位カメラから得られる映像情報の対応関係を求めるとともに、点群データのそれぞれの点に対して、複数枚の画像で対応する投影点を求めた。その後、複数枚の画像上の投影点の色情報を抽出し、連続する画像間の色情報の変化を基準にして、移動物体上の点と静止物体上の点を判定する技術の開発を行った。つまり、レンジファインダから得られた各点について、複数の画像間で色の変化を比較し、色の変化が大きければ移動している物体、小さければ静止している物体として判定を行った。この手法の有効性を確認するため、屋外環境の測定データの収集と、移動物体検出のための基礎実験を行った。平成25年度に成果発表ができるよう実験データの整理を行うとともに、学会発表のための準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のセンサを搭載した自動車を用いて屋外環境の測定を行うとともに、得られた測定データを利用して、移動物体と静止物体の判定を行う基礎実験を行っている。平成24年度に購入予定であった全方向デジタルカメラも平成24年8月に設置され、映像撮影・記録用ソフトウエアと記録した全方位画像を読込・再生するソフトウエアの設置も終了した。設置された全方向デジタルカメラとソフトウエアを利用することにより、兵庫県立工業技術センターにおいても研究開発の一部が進められるようになった。現在、平成25年度に成果発表ができるよう実験データの整理を行うとともに、学会発表のための準備を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の結果を踏まえて、移動物体を取り除くアルゴリズムを開発する。装置から得られるセンサ情報は以下のとおりであり、そのセンサ情報に対して、前年度確認した移動物体の判定手法を適用し、移動物体を取り除く。また、移動物体の判定結果、移動物体を取り除いた結果の評価を行う。 本研究で利用する装置には、3台のレンジファインダが設置されており、このレンジファインダで装置の斜め後方の路面と垂直方向の側面の距離情報を測定することができる。3台のレンジファインダは、1次元のレーザセンサであるため、測定可能な点は直線上の点のみであるが、装置が移動することにより、周囲の距離情報を測定することができる。これにより、建物や道路、自動車などの三次元点群データを得ることができる。一方、本装置に設置されている全方位カメラは1600×1200画素の小型カメラ6台を1台にまとめたカメラユニットである。屋外環境を測定するときには装置を移動させるので、このカメラから得られる映像は動画像データになる。この動画像データには、RTK-GPSとジャイロセンサから得られる位置や傾きの情報も同時に記録されているため、レンジファインダから得られる三次元点群データと動画像データの対応する位置関係を計算により求めることができる。この位置関係と前年度に確認した移動物体の判定手法を利用することにより、三次元点群データの各測定点が、静止物体上の点を測定した結果であるか、移動物体上の点を測定した結果であるのか判定を行う。また、その結果を利用して移動物体上の点を測定したデータを取り除く。なお、移動物体の移動速度の大小でレンジデータと画像データ間でずれが生じることが予想されるので、それを考慮しながら、静止している物体の抽出実験を進め、画像中の移動物体領域の抽出を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
複数のセンサを搭載した自動車については、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科視覚情報メディア研究室保有の機器を利用する。測定結果の解析、及び、画像処理手法の開発等に当該研究室の設備を利用するので、その作業に必要不可欠となるパソコン拡張用部品(PC拡張用部品)などの購入に消耗品費を利用する。一方、兵庫県立工業技術センターでは、平成24年度に全方位デジタルカメラを購入するとともに、奈良先端科学技術大学院大学で測定した実験データを持ち帰り、画像処理手法の開発に利用できるようパソコンやソフトウエアの整備を行っている。研究開発が円滑に進むように、平成25年度も継続して、光学部品やパソコン拡張用部品など、必要不可欠な部品を消耗品として購入する。 国内の主な研究集会は、電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会(PRMU)、情報処理学会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会(CVIM)、画像の認識・理解シンポジウムなどである。本研究の旅費は、これらの会議に参加するための費用(技術調査)と研究打ち合わせに利用する。また、今年度は研究成果発表も計画しているので、そのために必要となる旅費と参加費を本研究費から負担する。
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