2012 Fiscal Year Research-status Report
脳波(EEG)を用いたパワーアシストを行う人間・機械システムの構築
Project/Area Number |
24500240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
朱 赤 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (20345482)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
今年度は、運動または運動想起時の人の脳波を認識・抽出し、Short-time FFTやWavelet変換によって、脳波のα波とβ波を抽出し、これらの脳波により人間の運動の有無の判別、脳波から人間の負荷(筋電で表す)の推定、また脳波と人間の負荷との関係の調査などを行った。具体的には、 1.脳波のα波とβ波の取得をしやすいため、閉眼時、開眼時、運動直前および運動の3つのタスクを設計し、それぞれのタスクとα波とβ波を調べ、Mahalanobis distanceを用いて、運動有無の判別手法を提案し、その手法を確認した。現在は、この手法を用い、実際のロボットアームの制御を行っている。 2.また、パワーアシストを行うため、人間の関節の負荷情報が必要である。本研究室では人間の筋電を負荷情報として用いてパワーアシスト技術を開発している。これらの結果を踏まえ、脳波を用いてパワーアシストを行うため、まず、人間の関節の負荷と脳波の関係を調べる必要がある。そのため、主成分解析手法(PCA, Principal Component Analysis)を用いて脳波から人間の筋電を推定する手法を開発した。脳波から運動時の筋電の推定が可能であることを確認した。 3.更に、筋電を経由せずに、直接的に人間が異なる重み(負荷)を持っている時の脳波のα波とβ波をWavelet変換によって抽出し、それらの変化と重み(負荷)との関係を調べた。結果として、α波は負荷の増加によって減衰されることが分かった。β波は被験者によってその変化がそれぞれ違うが、特定の被験者に対してその変化が大体一致することも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳波によるパワーアシスト技術の確立のために、これまで上記のように3つの方向におおむね順調に進んでいる。 脳波のα波とβ波により運動の有無の判別や、人間の負荷と脳波の変化の関係の調べなどは、計画のとおりに進んでいる。また、脳波から人間の筋電の推定が可能であることを確認したことは、計画の以上に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.運動有無の判別手法を用い、1自由度のロボットアームの制御を行う。 2.人の1次元の力またはトルクを推定するためのタスクの設計を多次元の力・トルク情報を推定できるタスクを検討した上で、再設計する。 3.運動または運動想起で起こる脳波を測定・解析すると同時に、それらの脳波に含まれる筋電信号を認識・区別する手法を検討して開発し、運動または運動想起で起こる脳波と合わせて、多次元の力・トルク情報の推定手法を改善する。 4.2関節のパワーアシスト装置により肘と肩関節の評価試験を行う。実機試験中に、色々な不具合な点が出てくると予想される。出てきた不具合な点に関して、原因を調べ、解析手法や制御手法を改善する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(19 results)