2013 Fiscal Year Research-status Report
脳波(EEG)を用いたパワーアシストを行う人間・機械システムの構築
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24500240
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
朱 赤 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (20345482)
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Keywords | 脳波 / 表面筋電 / 推定 / パワーアシスト |
Research Abstract |
今年度は、人間の脳活動の情報を用いて、障害者の日常生活をサポートするパワーアシストシステムを構築するため、主に下記の研究を行った。 (1)運動をイメージしたときの脳波から運動強度に関する情報を抽出するために、Mirror Neuron Systemの概念に基づき、Wavelet変換によって、運動とMirror Neuron System の関係性を調査した。その結果、運動映像との共感度合いが高いほどより大きなμ波の減衰が生じるという可能性が示唆された。 (2)閉眼時、開眼時、運動直前および運動の3つの異なるタスクを設計し、Short-time FFTにより、それぞれのタスクとα波、β波、γ波を調べ、Mahalanobis distanceを用いて、運動有無の自動判別手法を提案・確認した。 (3)近年、我々は筋電を用いた拡張アドミッタンス制御によるパワーアシストシステムを提案し、その有効性を実機検証により確認した。その技術に基づき、人間の脳活動の情報を用いてパワーアシストシステムを構築することを目的とし、脳波(EEG)から表面筋電(sEMG)を推定することに成功した。肘が運動を行った際に得られた脳波から、主成分分析手法を用い、脳波と筋電の間の線形モデルを作成し、逐次最小二乗法により、脳波から表面筋電の推定モデルのパラメータを逐次的に更新を行った。さらに、装着型外骨格パワーアシスト装置を利用し、かつ筋電信号を生成できない障害者を想定したうえで、拡張アドミッタンス制御を用いて、外骨格装置の関節角度から表面筋電の推定を行い、この推定された表面筋電を教師信号とし、逐次最小二乗法によりモデルの更新を行う手法を提案した。被験者3名で脳波から推定された表面筋電と実測した表面筋電との相関係数が、平均0.70、最大0.88と高い推定が出来ていることが確認された。この基礎研究の結果から、脳波からの筋電図の推定が可能であることを確認し、さらにパワーアシストが可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで上記のように、脳波によるパワーアシスト技術の確立に向け、3つの方向におおむね順調に進んでいる。人間の負荷(運動強度)と脳波の変化の関係を調べ、脳波のα波、β波、γ波による運動有無の自動判別などは、計画のとおりに進んでいる。また、脳波からの人間の筋電の推定に成功したことは、計画以上に進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
今後、実際の重りを見た時の脳波変化を調べ、脳波と運動強度の関係をモデル化し、ロボット制御を行う予定である。また、脳波から人の1次元の力またはトルクの推定を多次元の力・トルクの推定に拡張し、その実験設計や推定手法を改善し、実機試験で確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基金化になったので、完全に0になる必要がないため。 H26年度に使う予定。
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