2012 Fiscal Year Research-status Report
水中観測無線センサネットワークによる海中情報の長時間観測手法の開発
Project/Area Number |
24500244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
鈴木 剛 東京電機大学, 工学部, 教授 (00349789)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 無線センサネットワーク / センサノード / 水中環境 / 情報収集支援 |
Research Abstract |
サンゴ礁などを対象とした,沿岸エリアの海洋環境における生態系の保全や,水難事故等の情報支援を目的として,無線センサネットワーク(Wireless Sensor Network: WSN)技術を利用した水中に展開可能なセンサノード(Sensor Node: SN)群による海洋環境情報収集支援システム(水中観測WSN)を開発している.本研究では,サンゴ礁環境における生態系観測において,カメラによる長時間の水中観測で問題となる藻類などの付着生物の除去,および,水深の深い暗所や夜間の撮影などの課題の解決を図る.これにより,水中観測WSNを,長時間継続して運用するための基礎技術の開発を目的とする. 本年度は,まず,海洋環境観測情報を長時間安定して取得するために,水中観測WSNの改良を行った.これまでに試作してきた水中観測WSNは,長時間動作の観点からはハードウエアおよびソフトウエアの動作安定性,通信ユニットの水密性,通信接続性,センサノードの設置容易性などにおいて課題があった.そこで,それら課題を解決するために,1)水密性の向上,2)ハードウエアの自立性の向上と機能分散,3)ソフトウエアのモジュール化と統合,4)データバックアップの多重化.5)無線通信アンテナの拡張,6)固定フレームによる水中への設置,などの水中観測SNの改良を進め,機能確認を継続している. 次に,本SNの実地機能試験を行うとともに,サンゴ群体の標本画像を撮影した.また,撮影した画像を用いて,サンゴ群体の情報抽出が可能か検討し,色情報よりサンゴ群体位置の検出を行う画像処理ソフトを作成した. 付着生物除去の検討については,生物種や実験系の基礎調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水中観測センサノードの改良,センサノードを用いたサンゴの撮影,また,撮影画像を対象とした画像処理については概ね順調に進んでいるが,付着生物の付着状態をモデル化するための実験系の構築が遅れている.これは,天候等の影響による実地試験の遅れ,および,センサノードの外装素材等を長時間設置して付着生物の付着状態を観察する,観測環境を模擬した実験環境の構築に時間がかかっているためである.
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Strategy for Future Research Activity |
水中観測WSNのシステムについては,まだ不安定な個所があるため,改良および機能確認を継続する. また,水中での照明条件や透明度の異なるサンゴ群体の標本画像を撮影し,それらを用いて,サンゴの輪郭や表面状態の変化などの検出が可能かなどの画像処理手法の検討を行う. 付着生物除去については,海中での付着生物の付着状態を実地試験も含めて調査を継続し,除去方法の検討を行う.これまでの検討から,付着生物の成長状態を数理モデル化し,水中観測SNのカメラによる対象画像の視認性からSN容器への付着生物の付着状態を推定し,容器内の振動モータにより容器を振動させ付着生物を振い落す方法を検討している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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