2013 Fiscal Year Research-status Report
視覚運動系を題材にした2者間実時間相互作用の最適化機構の解明
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24500246
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
石田 文彦 富山高等専門学校, 専攻科, 准教授 (20345432)
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Keywords | 生体生命情報学 / 知能ロボティクス / 神経科学 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は,社会性動物の生存にとり重要な他者との協調性(コミュニケーション)について,運動先行性を特徴とする人の感覚運動制御におけるプロアクティブ制御を鍵にして,コミュニケーションの実態を明らかにし,コミュニケーションの定量的研究の基盤を確立することを目的とする. 本年度の成果は以下の通りである. 1.ヒトの視覚的目標追従課題で観測された手の動きの先行性について,追従運動に関するミニマムダイナミクスモデルを用いて数値実験により,先行性が発現する条件を調査した.ミニマムモデルに目標運動周波数の倍周波数リズム成分を付加したダイナミクスモデルにおいて,(1)誤差修正項が常に働く,(2)誤差修正項と速度項が相補的に働く,(3)誤差修正項と速度項が同時に働く,条件で数値実験を行った.その結果,手の動きに視覚目標運動周波数の倍周波数のリズム成分が含まれ,かつ,フィードフォワード制御要素とフィードバック制御要素が相補的に動作することが運動先行性発現には必要なことが明らかとなった. 2.1のモデルを基にコミュニケーションの定量的研究に必須な先行性の発現機構を考慮したコミュニケーションモデルのための手動運動モデルの準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の目的は,相互作用実験により,実験参加者の運動特性と速度相関特性との関係を定量的に求め,コミュニケーションの定量的評価方法を確立することであったが,購入備品の相互接続に問題が生じたことと平成25年度中,家族の介護および育休取得があり,当初計画からやや遅れていると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題は,相互作用実験により実験参加者の運動特性と速度相関特性との関係を定量的に求め,コミュニケーションの定量的評価方法を確立することである.平成25年度明らかになった申請備品の相互接続問題を解消し,相互追跡実験を実施する,2者運動の位相差,手動運動速度,手動運動スペクトル等に着目し,速度相互相速度相互相関係数の相関時間ゼロの特性を基にした,コミュニケーションの定量的特性を見出す.また,実験データよりコミュニケーション評価値最大の条件を求め,相互追跡モデルで再現する.これを相互追跡モデルの理論解析からえたコミュニケーションの最適化条件と比較し,コミュニケーションの定量的評価の普遍性と限界を求める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に実施を予定していた実験が計画通りに実行ができず,予定した謝金支払い等を執行しなかったため,次年度使用額が生じた. 計画通りに実験を遂行し,実験に係る謝金として使用する計画である.
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Research Products
(4 results)