2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500257
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 良治 広島大学, 大学病院, 助教 (50304431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 哲次 広島大学, 大学病院, 教授 (50112206)
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Keywords | 歯科初診医療面接 / 医療コミュニケーション / 会話分析 / 順番交替構造 |
Research Abstract |
歯科医療において、コミュニケーションを重視した良好な歯科医師患者関係の構築をするために、その基盤となる標準的な言語、語句の使用、非言語(パフォーマンス・コミュニケーション)を習得する必要性がある。特に、歯科研修医や若い歯科医師が日常使用する言語、語句と高齢者が使用する言語・語句との差が著しく違ってきた。そこで、本研究では、歯科医療コミュニケーションにおける会話分析に着目した。一方で、Sack&Moerman (1971)が提唱している順番交替構造と相互理解に関して追求する必要があった。本研究では、模擬医療面接を撮影したDVテープから、順番移行規則のパターン解析を行い、その共通点や相違点を明らかにした。 1、スムーズな順番移行が、会話の典型的様相として観察できるか。この場面においては、ギャップ、オーバーラップは認められなかった。2、スムーズな順番移行のためには、発話の可能終了点を予見できるか。歯科研修医や若い歯科医師は、その発話を理解するという作業には何が事前の知識として必要なのかを知らなければならないが、質問事項ばかりの記憶、知識で、その結果を予測または期待するまでのコミュニケーションスキルはまだ、もちあわせていないのが、大半であった。3、「質問」というものは、次の発話として答えを適切なものにしているか。発話をいって、「答えないこと」は、もし話者として選択されているならば、失敗とみなされる。しかし、歯科初診医療面接においては、「答えないこと」は、患者自身が持つ疾病に対して、前医からの問題もあることから、「答えにくい」、「言いづらい」または、単に、クローズな質問にしか答えない例も見受けられた。こうした分析の必要性を発話を行った発話者の責任を生み出し、発話の系列化へ注意を向けることも今後の歯科初診医療面接おいて必要であることが今後の課題として明らかになった。
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