2012 Fiscal Year Research-status Report
fMRIとカーネルファジィクラスタリングを用いたBCI画像検索
Project/Area Number |
24500258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 真一 高知工科大学, 工学部, 講師 (30334519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 豊 高知大学, 医歯学系, 准教授 (00376956)
岡本 一志 千葉大学, 学内共同利用施設等, その他 (10615032)
佐伯 幸郎 高知工科大学, 工学部, 助教 (40549408)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳情報デコーディング / 機械学習 / パターン認識 / fMRI |
Research Abstract |
BCI型画像検索を行うために必要となる視覚情報の脳情報デコーディングを行うために,次の研究および開発を行った.一つめに,fMRI装置からのデータのリアルタイムに出力に必要となるDICOMデータの即時送出の環境整備(DICOMサーバ設置)を行い,被験者に情報を提示している状態で,脳機能情報をfMRI装置から即時に取り出せる実験環境を整備した.二つめに,視覚情報に先立ってもっとも脳情報デコードの成功確率の高い運動野での指運動の状態の脳機能情報を取り出し,機械学習アルゴリズムによるデコーディングを適用した.機械学習アルゴリズムとして,脳情報デコーディングに適したものについての定量的な比較を行った研究はまだ少なく,本年度の実験にて得られた脳機能情報を,ニューラルネットワーク(フィードフォワード型バックプロパゲーション学習),ランダムフォレスト,スパースロジスティック回帰(SLR),サポートベクタマシンにてデコードし,その識別精度,学習収束までの実行速度の比較を定量的に行った.ニューラルネットワークは3層・4層,サポートベクタマシンは,線形・多項式・RBF・シグモイドの各カーネルで実行している.その結果,SVMの線形カーネルを用いたものが,識別精度(93%)と速度の両面で最も高い性能を示した.集団学習アルゴリズムの一つとして注目されているランダムフォレスト,先行研究で用いられているSLRも精度の点では比較的高い精度(それぞれ,82%, 90%)を示していたが,ニューラルネットワークについては,精度(76%)・学習速度(他の手法の1~2ケタ大きい計算時間)とも低い結果となった.この結果は,脳情報デコードでのサポートベクタマシンの有効性を示しているものであり,またサポートベクタマシンの計算時間も本実験の規模の脳機能情報のデコードでは問題にならないことが示している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DICOMデータからの脳機能情報の取り出し,ブレインデコーディングに適用する機械学習アルゴリズムの検討が行えており,実際にそれらのデコーディング結果の比較・検討を定量的に行えたことから,順調に研究が進行していると判断する.ローデータの取り扱いの検討,およびローデータからの独自の信号処理,画像前処理については,通常の装置からの信号出力を用いた処理で支障がなかったため,今年度は検討しなかったが,次年度以降, 視覚情報への適用,あるいはデータが増大することに伴って,ローデータを取り扱う必要があれば,検討していく必要がある.その他,DICOMデータを直接取り扱うアルゴリズムについても検討をはじめており,独自プログラムによる,実際の装置からのDICOM形式のデータ出力結果から各ボクセルの信号値を検出することはできている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,今年度の運動野と異なり,より高い精度を得ることが困難であると予想される視覚情報へのデコードを行う.視覚情報のデコードは,推定すべき情報が持つ構造がより複雑で詳細になるために,脳機能情報からの推定が難しくなるため,fMRIによる脳機能計測結果の信号処理,画像前処理アルゴリズムの検討が必要になると考えている.このため,今年度行ったパターン認識・機械学習アルゴリズムの精度向上に加えて,高い精度での信号推定を行える信号処理アルゴリズム,ノイズ除去技術の検討を積極的に行っていく予定である.また,大量の情報のやりとりを安全に行うため(fMRIによるデータには個人情報を含まないよう注意して作成しているが,それでも脳の構造・病変など高いプライバシー情報を含む場合がある),安全なデータ共有を行う装置の導入を検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
安全に脳機能情報データ交換・共有のためのサービスまたは装置の購入またはレンタルを行う.その他,データ処理を行うためのソフトウェア(Matlab)の使用権の購入を必要な分行う.また,fMRIによる脳情報データ計測実験に協力する実験参加者への謝金および実験に必要な消耗品の購入を行う.さらに,本研究の成果を発表するための,国内(日本知能情報ファジィ学会,電子情報通信学会)への参加旅費,国外(the 14th International Symposium on Advanced Intelligent Systems (ISIS2013),The 3rd International Workshop on Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics その他)への参加にかかる旅費・参加費,論文出版に必要な経費の支出を行う.
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