2012 Fiscal Year Research-status Report
人の状態推定技術の開発とこれを用いた効果的な働きかけの研究
Project/Area Number |
24500263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大須賀 美恵子 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10351462)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感性ロボティクス / 低負担計測 / 集中度 / 心拍 / 呼吸 |
Research Abstract |
1.居間やオフィスの椅子にセンサを組み込んで,衣服を着用したままで,心拍・呼吸を計測する手法を検討した.心拍については容量結合型の心電図と足裏の光電式脈波の可能性を確認した.呼吸は背もたれの空気枕の圧変化と,座面の圧力変化を捉える方法を検討した.ノイズの多い心電図から心拍情報を抽出するアルゴリズムの検討も行い,複数の手法を比較している.計測手法の決定のための評価データ収集が不十分であり,次年度に実施する. 2.webカメラで取得した顔画像を観察し顔表情判定の可能性を検討した.顔表情解析・評価に関する講演会を開催し助言を得た.覚醒低下と覚醒努力については,可能性が高いが,集中,イライラについては,副次行動や生理指標も合わせて評価しないと難しいことがわかった.瞳孔径や視線,瞬目などの利用可能性について文献調査し,瞳孔径と視線停留,瞬目間隔分布の組み合わせで,集中度を推定する手法を新たに検討することにした. 3.接触型のセンサを用いて状態判定のための基礎データを収集した.心電図と呼吸をセンサ装着して計測し,webカメラを用いて正面顔と背後からの映像,10分程度ごとの主観申告を収集した.収集場面は,研究室でのPC作業(20分ずつ6種類)と,居間でのビデオ視聴(興味のあるものとないもの)で,それぞれ健常成人8名を対象とした.いずれの場面でも,心拍変動や呼吸指標を用いて,作業や視聴に集中しているかどうかを判定できる可能性を示した.また,PC作業場面では,予備的な試みとして,小型のロボットによる小休止の働きかけを導入し,作業に集中しているときに比べ飽きているときには,働きかけの受容度が高いことを確認した. なお,本研究に関わる実験は,大阪工業大学ライフサイセンス実験倫理委員会の審査を経て,大阪工業大学学長の承認を得て実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサを装着せずに計測できる生理指標の検討はおおむね順調に進んでいるが,選定にはまだデータ収集が必要である.表情については,課題が多く,新しい指標の導入も含め検討中である.応用事例として想定している2場面でのデータの蓄積は順調で,状態判定のアルゴリズム開発も進んでいる.以上より,おおむね順調と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
センサを装着しない心拍・呼吸計測についての検討を加速し,計画どおり,フィールドテスト用の計測システムの製作に着手できるようにする. 顔表情だけでなく,瞳孔径や視線の利用についても,引き続き検討し,利用可能なツールを模索する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費(1,400千円)は,フィールドテスト用のシステム構築および実験消耗品,データ蓄積用の消耗品の購入に充てる. 旅費(200千円)は成果発表(国内1回以上)と海外の研究動向調査のための旅費に充てる. 人件費・謝金(300千円)は,フィールドテストの実施やデータ解析を担当する補助者の雇用および実験参加者(被測定者)の謝金に用いる.
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