2012 Fiscal Year Research-status Report
災害時にも利用可能な低ビットレートによる画像・動画像通信の研究
Project/Area Number |
24500270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 幸司 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00179269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 渉 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30509089)
渡部 修 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50343017)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像・動画像通信 / ベクトル量子化 / ファジィ理論 / 進化計算 |
Research Abstract |
災害時においては,安否や被害状況の確認のためにインターネットのアクセスが急増して輻輳状態(通信が要求過多により成立しなくなる状態)になり混乱をきたす原因となっている。避難情報が正確に被災者に伝わるシステムの構築が求められている。このような背景から本研究では,通信負荷が少なく,計算能力が低い通信端末でも使用可能なベクトル量子化技術に基づいて画像・動画像の圧縮技術を研究している。ベクトル量子化技術は,コードブックに記憶された画像ブロック(コードベクトル)を用いて符号化・複合化を行うためコードブックの構築が研究の核となる。 本研究では,アルゴリズムが簡単で計算が容易なファジィクラスタリング(FCM)アルゴリズムに注目してコードブックの構築を行った。しかし,FCMアルゴリズムは初期クラスタに依存することが指摘されている。このため本研究では,Affinity Propagation(AP)アルゴリズムに注目して初期値の設定を行った。APアルゴリズムは与えられたデータ点をクラスタ中心とするアルゴリズムであり,FCMアルゴリズムの初期値決定に有効であると考えられる。様々なテスト画像を用いて実験を行った結果,APアルゴリズムはFCMアルゴリズムの初期値決定に効果的であることが示された。また,圧縮率を向上させるためには,コードベクトルの数を減少させることが必要となるため可変ブロックサイズについて検討を行っている。しかし,可変ブロックサイズはアルゴリズムが複雑になり圧縮の効果が期待できるかは疑問があり今後さらに検討を進める必要がある。また,進化計算によるコードブックの最適化については予備実験を行い良好な結果を得ているが,符号化についてはさらに研究を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の実施計画においては,(1)可変ブロックサイズ分割の最適化に関する研究を計画している。この研究においては,ファジィクラスタリング(FCM)アルゴリズムを用いて実験的に研究を行った。特に,コードブックを構成する画素ブックであるコードベクトル数を変化させることによって画質への影響について調べた。可変ブロックサイズの最適化には至っていないが,コードベクトル数によって画質がどの程度影響を受けるかを明らかにすることができた。このことによって可変ブロックで分割して圧縮率と画質のトレードオフを改善するための手がかりを得ることができた。これまでの研究では,正方ブロック分割を行ってるが,画素ブロックをベクトルとして取り扱うため長方形ブロックによる分割は意義が小さいと考えられる。また,正方ブロックと長方形ブロックが混在する場合は,画像へブロックを配置するためのアルゴリズムが複雑になり計算負荷が増大すると考えられ現実的でないことが分かった。 (2)進化計算による量子化のためのコードブックの最適化については,予備的な実験を行い効果的な結果を得ることができた。特に,Affinity Propagation(AP)アルゴリズムによって初期コードベクトルを作成し,進化計算の手法によって最適化を実験的に行った。様々な学習画像を用いて実験を行い良好な結果を得ることができた。これまでの研究によって,APアルゴリズムは計算のために大きな記憶領域を必要とするためアルゴリズムとして優れているが実用的とは思われない。計算負荷の少ない初期値決定方法を検討する必要がある。 (3)顕著性領域の抽出については,これまで提案されているアルゴリズムを実装してその有効性と問題点を検討している段階である。ベクトル量子化による効果的な画像圧縮へアルゴリズムの拡張を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)24年度の研究で,クラスタリングアルゴリズムの初期値決定をAffinitiy Propagation(AP)を用いて行っていたが演算に大きな記憶容量を必要とするため実用的と言えない。このため簡便な初期値設定アルゴリズムを検討する。様々なアルゴリズムが提案されているためベクトル量子化に適したアルゴリズムを実験的に見いだす。 (2)顕著性領域抽出アルゴリズムの研究をさらに進める。ユーザのニーズに適するようにベクトル量子化において顕著性領域を抽出できれば顕著性領域とその他の領域を分けることができる。このことによって顕著性領域を分割するブロックを小さくし画質を向上させる。他方,顕著性領域以外では,分割をラフにすることによって画質を低下させる。このことによって重要と考えられる顕著性の画質の向上と画像全体での圧縮率を増加させる。このことによって通信負荷を低下させる研究を行う。 (3)進化計算についても遺伝子として符号化する方法を画素ブロック単位で行っているが他の文献を参照しながら符号化の方法について再検討する。 (4)これまでの研究は,静止画像に関する研究であり,動画像の研究に発展させる。動画像圧縮の要点は,動き補償ベクトルの求め方にある。本研究では,ベクトル量子化で圧縮を行ってるため動画像のフレームは静止画像構成されている。このためフレームをブロック分割し,前景と顕著性領域に注目して動き補償アルゴリズムを研究する。このことによって重要な領域を画質を落とすことなく圧縮するアルゴリズムを開発する。 (5)予測符号化アルゴリズムの研究 本研究ではベクトル量子化によってコードブックを用いて画像の符号化・複合化を行うためベクトル量子化に基づいた予測符号化アルゴリズムを開発する。 (6)パケット化,ストリーミングについても予備的な実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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[Journal Article] Sounds can alter the perceived direction of a moving visual object2012
Author(s)
Teramoto, W., Hidaka, S., Sugita, Y., Sakamoto, S., Gyoba, J., Iwaya, Y., Suzuki, Y.
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Journal Title
Journal of Vision
Volume: 12
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed
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