2013 Fiscal Year Research-status Report
競合連想ネットの区分的線形近似と統計的学習法の工学応用のための理論解析と性能向上
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24500276
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒木 秀一 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40178124)
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Keywords | 競合連想ネット / 区分的線形近似 / 統計的学習 / 工学応用 / 理論解析 / 性能向上 |
Research Abstract |
本年度は次の4つの課題についての計画に対し、以下の実績を得た。 (1)区分的線形近似と統計的学習法の理論的解析と性能向上:[計画]競合連想ネット(CAN2)を用いたバギング予測分布の高次モーメント(尖度と歪度)を用いて予測性能の評価に利用する手法をより詳細に検討し、より複雑なバグブースティング等への応用も試みる。[実績]バギング予測分布の尖度と歪度をカオス時系列予測に用いてモデル選択を行う手法を提案しその有効性を示した(S.Kurogi, K.Ono, T.Nishida;小野, 黒木, 西田)。 (2)非線形プラントのロバスト制御への応用:[計画]非線形かつパラメータが変動する制御系を複数の競合連想ネットを用いて制御する手法にバギング法を用いて性能向上が行えることの理論解析を行い、公表する。[実績]複数のバギングCAN2を用いて多目的ロバスト制御とその性能向上が行えることを示した (W.Huang, S.Kurogi, T.Nishida) (3)音声話者認識への応用:CAN2とギブス分布に基づく拡張ベイズ推定をテキスト指定形話者認識に応用する手法の解析を行い公表する。[実績]当該手法の解析を行いその有効性を示した(S.Kurogi, T.Ueki, Y.Mizobe;溝部, 植木, 黒木;植木, 溝部, 西田) (4)距離画像処理への応用:[計画]対応関係が不明な3次元点集合(距離画像)の回転行列の推定法と区分的線形近似法および統計的手法を距離画像復元およびSLAMに適用する。[実績]当該推定法を公表し(西田, 黒木, 2013)、CAN2とLOOCVを用いて距離画像を用いるSLAMの性能向上を行う手法を提案した(平山, 黒木)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的と計画で挙げた4つの課題について、以下のようにおおむね順調に進展している。 (1)区分的線形近似と統計的学習法の理論的解析と性能向上:バギング予測分布の高次モーメント(歪度と尖度)を用いる手法は短期(予測可能)と長期(予測不能)の中間(中期)の予測の性能評価を行うものであり、従来のholdout法より良好な結果が得られることを数値実験を通して統計的に確かめた。 (2)非線形プラントのロバスト制御への応用:非線形系に対し複数のバギングCAN2を用いる多目的ロバスト制御と追加学習による性能向上の手法を示し、数値実験によりその有効性を示した。 (3)音声話者認識への応用:CAN2とギブス分布に基づく拡張ベイズ推定をテキスト指定形話者認識の多段照合法を提案し、その解析を行い、照合率が向上できることを示した。 (4)距離画像処理への応用:CAN2とLOOCVを用いて距離画像を用いるSLAMの性能向上を行う手法を提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である次年度は4つの課題について以下のように研究を進めてまとめる計画である。 (1)区分的線形近似と統計的学習法の理論的解析と性能向上:提案手法は統計的には従来のholdout法よりもうまくいくが、個々の時系列についてはうまくいかないこともある。そこで、直接多段予測とバグ外推定を組み合わせた新しい手法の考案と検討を行う。同時に、これまでの研究成果をまとめる。 (2)非線形プラントのロバスト制御への応用:複数のCAN2を用いる多目的ロバスト制御の原理やその適用可能範囲等を線形の制御対象を用いて解析するとともに、これまでの研究成果をまとめる。 (3)音声話者認識への応用:CAN2とギブス分布に基づく拡張ベイズ推定をテキスト指定形話者認識の多段照合法の未登録話者に対する性能を解析するとともに、これまでの研究成果をまとめる。 (4)距離画像処理への応用:距離画像のCAN2による区分的線形近似や回転行列推定法、およびLOOCV等を用いてSLAMの性能向上とその評価を行うとともに、これまでの研究をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費が値引きにより当初予定していた額より低く抑えられたため。 文具などの物品購入に充てる。
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Research Products
(9 results)