2013 Fiscal Year Research-status Report
スパース表現による不完全情報のデータからの源信号復元と形状イメージ再構成の研究
Project/Area Number |
24500280
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
丁 数学 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (80372829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 祐市 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (90404897)
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Keywords | 確率的情報処理 / スパース表現 / 不完全なデータからの復元 / Incoherence辞書 / ブラインド信号分離 |
Research Abstract |
平成25年度に下記の研究について実施した。 1)本年度は源信号と辞書ともに未知の場合に効率の良い辞書を学習し、源信号を推定する方法について研究した。従来の方法では辞書について拘束条件なしで源信号のSparsityによる間接的に学習ということが殆どであったが、得られた辞書の効率に制限があった。この問題を解決するため、我々は辞書にIncoherenceという概念を導入した。源信号についてはできるだけSparseという条件を加えて問題の定式化となった。そして、定式化された問題を解決するため、辞書行列の列と源信号行列の行の最適化の繰り返しの子問題と変換し、一つずつを解決するという有効な方法を発見した。これについて内容はIEICE Transactions on Information and Systemsに発表された。 2)スパース表現によるブラインド信号分離処理について研究した。ブラインド信号分離処理について様々な方法があったが、源信号の数が観測信号の数より多い場合は有効な方法がまだなかった。我々の方法は二段階を含む:1)混合行列の推定段階と、2)信号の分離段階。段階1)は時間ー周波数領域で行うこととし、複素位相のClusteringによって混合行列を精度高く推定で成功した。時間ー周波数領域で処理するもう1つの理由としてはSparsityを持たない信号にも応用できることだ。時間領域でSparsityを持たない信号は時間ー周波数領域ではスパースとなることが実に多く存在する。段階2)で、推定された混合行列を用いて源信号を推定する。過少決定体系であるので難しい問題であるが、我々は信号のSparsityを適用して実現した。従来も類似な方法があったが、我々の方法は純粋な代数的な方法であり、高精度、確実、且つ高速度ができ、より優れることを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的を達成するために交付申請書に記載した平成25年度以降分の研究計画・方法で、「(3)Sparsityを持たない信号にも応用ができるスパース表現法についての研究」と、「(4)スパース表現の応用研究」という2つの内容があった。(3)について、スパース表現によるブラインド信号分離処理について研究した。時間ー周波数領域で処理するので、Sparsityを持たない信号にも応用できる。時間領域でSparsityを持たない信号は時間ー周波数領域ではスパースとなることが実に多く存在する。(4)について、画像のノイズ除去とInpainting、ブラインド信号分離処理などの応用について研究し、効果を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」で述べたように、研究計画に記載せれていた項目としてある意味で達成した。しかしながら、まだ残っている研究課題があると認識し、平成26年度で下記の方針で研究を行う。 1)Sparsityを持たない信号にも応用ができるスパース表現法について、1つの方法を実現したが、それはあくまで最低限の研究であり、他の良い方法があるかについて調査をし、実現したいである。 2)スパース表現の応用研究についても過少決定体系のブラインド信号分離など幾つかの応用例を上がったが、他の様々な応用もあると考えている。特に、不完全画像と動画の復元についての現実な応用例を示したいである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スパース表現の応用研究について、一部の研究は計画の通りで完成したが、不完全画像と動画像の復元などの応用については26年度に行うことと変更したので、次年度使用額が生じた。 研究の評価と実験、データの収集のため、大学院生からの研究補助時の謝金として使用する予定である。会津大学において、院生の時給が1,000円となっているので、この基準と必要時間数で支払う。 また、成果を発表するため、国際会議の登録費と旅費としても使用する予定である。
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Research Products
(11 results)