2013 Fiscal Year Research-status Report
移動ロボット向けソフトコンピューティングライブラリの開発
Project/Area Number |
24500288
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
田中 雅博 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (70163574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 昌浩 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (80330405)
梅谷 智弘 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (10397630)
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Keywords | 移動ロボット / ソフトコンピューティング / RTミドルウェア |
Research Abstract |
平成25年度は、自己位置推定、パンチルト雲台を用いた台車のピッチ角の補償制御、路面検知、目的人物検知と動作による指令理解、人物検知と追跡、経路選択とファジィ制御、距離データを用いた対象物の追跡などの研究を行った。 自己位置推定は、占有空間と、占有空間という既存の概念に加えて、我々の実験環境に特徴的なガラス張りの壁面や立木のように反射の不確定な部分が多くあることに対する半占有空間という概念を提案し、それを用いた尤度関数を定義することで、自己位置推定をほぼ成功させた。また、倒立2輪台車ロボットを使っているために、2次元マップに描かれている平面がスキャンできるタイミングが不連続・不規則であることを取り入れた自己位置推定の方法を考案する一方で、台車の上に搭載して、傾きの補償制御を行う、パンチルト雲台の制御のための数学モデル(ARXモデル)の同定と、それを用いたモデル予測制御を行った。 路面検知は、雲台の上で角度補償をされたものを用いるものと、一般的に任意の姿勢で、路面と障害物や穴を検知するシステムの2つの方向で行っている。特に、後者は観測データの中の路面と思われる点群を推定し、拡張カルマンフィルタによりセンサの姿勢を逐次推定するという方法を採っており、特許申請を行った他、企業との共同研究にもつながった。 経路計画は、環境マップの上でファジィ制御を行うことで、障害物を避けながら自動的に目的地に向かう動作を行う方法を採用している。ファジィ制御は、シミュレーションでは成功しており、実ロボットでの実験を重ねているところである。 対象物が人か、それ以外かという判別の問題については、インタラクティブにロボットからの指令によって人が手を挙げるなどの動作をし、それをロボットが確認するという方法で実現している。形状だけから人を検知し、追跡するということは困難と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己位置推定の状況は、プログラムの全面的な見直し、不規則なセンサ情報取り込み間隔に対する、連続的な自己位置推定結果の出力の実現などにより、この1年間で大幅に向上した。 当初考えていた、熱画像センサによる人の検知方法は行わず、ロボットからの指令に基づいて人が動作を行い、それをロボットがカメラで検知するというロボットと人とのインタラクティブな方法に切り替えて実現した。インタラクティブな方法を使って人を検知するというのは、このようなコミュニケーションを併用する移動ロボットであれば有力な方法として位置づけることもできると考えている。 センサによる種々の認識処理後の情報を、コントローラへの指令へフィードバックするというテーマについては、パンチルド雲台の制御で一部実現している。 路面検知については、単に障害物の位置を点の集合で見つけるだけでなく、平面としての認識(主として壁面)ができるようになった。さらに、壁面の法線の向きや路面上の穴までの距離、ロボットのいるところの路面の傾斜角など、多くの情報を、1つのデプスセンサの計測値だけから求めるアルゴリズムを開発した。これは、当初の予定を大幅に超える成果である。壁面情報からSLAMにつなげることを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にもある通り、2年目の計画は多岐にわたるため、まだ完成していないものが多いので、3年目も、2年目の計画を引き続き実行していく。それにより、当初の計画にあった内容をほぼ全面的に実現したいと考えている。夏休みにイベントがあり、そこで動画やストリーミングで移動ロボットの公開を行うことにしている。その中で、未だ実現できていない機能を大幅に実現することを目指している。特に、観衆がおおぜいいる中での自己位置推定、よりなめらかなファジィ制御、より確実な障害物検知などをキーとなる技術として確立していく。 本プロジェクトは、汎用性の高いものをライブラリとして公開することを目的としており、研究代表者のWebサイトの中にフォルダ http://carnation.is.konan-u.ac.jp/kaken/ を設け、ここに公開するファイルを置いていく。高次の認識については、ゆくゆくは人の個人識別まで行いたいと考えており、そのために、カメラから取り入れた画像ファイルをディープラーニングアルゴリズムを用いて並列計算機で学習、識別するシステムを構築したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた出張が別予算で行けたものがあり、また、次年度購入したいもの(搭載用コンピュータやセンサ)ができたので、予算を多少節約した。 移動ロボットの装備(コンピュータやセンサ)に予算を使用して、不自由なく使えるロボットにしたいと考えている。
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Research Products
(21 results)