2012 Fiscal Year Research-status Report
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24500300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
前田 亮 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20351322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 文則 立命館大学, 情報理工学部, 助手 (70516690)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタデータ / 典拠データ / 浮世絵 / Linked Data |
Research Abstract |
本年度は,本研究課題の目標である多言語ディジタルアーカイブの統合検索の実現に向けて,主にLinked Dataによるデータベース間リンクの実現の検討を行った.具体的には,浮世絵の作者(絵師)の情報を対象とし,国立国会図書館が提供している典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)および,主に欧米の国立図書館の典拠データ間をリンクした仮想的な典拠データであるVIAF(Virtual International Authority File)における著者名典拠に結び付ける手法を検討した.このうち,特に国立国会図書館の典拠データには,浮世絵師の情報が多く含まれており,またWeb NDL AuthoritiesとVIAFのいずれもSPARQL(SPARQL Protocol and RDF Query Language)による検索に対応しているため,Linked Data化が容易である.また,Web NDL Authoritiesでは,人名の読みの情報からローマ字表記に変換することも可能である.ただし,浮世絵師などの場合,同一人物であっても襲名により名前が変わる場合や,逆に同名の人物が複数存在する場合があり,これらの人物の同定が必要である.そのため,他のメタデータ項目に含まれる年代の情報などを利用して人物の同定を行う手法を検討した.また,この手法による人物同定の精度の定量的評価を行った.その結果,姓と名の両方が含まれる人名の場合で約99.8%と,非常に高い精度で人物を同定することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画における課題の一つであるLinked Dataによるデータベース間リンクの実現に関しては,ほぼ計画通りに研究を進めることができた.提案手法の定量的評価実験において,当初の予定にはなかったVIAF(Virtual International Authority File)を併用したこともあり,人物同定の精度について約99.8%という高い精度を得ることができた. 一方で,もう一つの課題である言語横断検索機能の改善に関しては,種々の検討は行ったものの,具体的な改善手法を提案するには至らなかった.この点に関しては,今後,具体的な手法の検討を行う必要があると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,提案手法の国内外の他の浮世絵ディジタルアーカイブへの対応を行う.具体的には,現在検索対象となっているデータベースに加え,ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館,早稲田大学演劇博物館,東京国立博物館などを対象に加える.特に早稲田大学演劇博物館は4万点を超える国内有数の量の浮世 絵画像を公開しており,メタデータ項目も非常に詳細である.これらを対象に加える際には,メタデータ要素をどのようにマッピングするかが問題となる.申請者らは,これまでに人文系ディジタルアーカイブを対象とした メタデータ要素名の文字列類似度に基づいた自動マッピングの研究を行っているが,これを基に発展させ,要素名だけではなくメタデータの記述内容も利用することで,より高精度なマッピングを行う技術を開発する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は,当初購入を予定していた実験用サーバを用いずに,主に既存の設備で研究を実施することができたため,主に物品費について,予定より少ない金額で研究を遂行することができた.次年度は,この分を利用してより高性能な実験用サーバを購入し,大規模なディジタルアーカイブの構築および評価実験を行う.また,研究成果を国内および国外の学会において発表するための旅費に使用する.また,必要に応じてデータ入力作業および事務作業補助のアルバイトを雇用する予定である.
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Research Products
(5 results)