2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500318
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Research Institution | Kyushu Institute of Information Sciences |
Principal Investigator |
南 俊朗 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (80315150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 洋子 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (70122695)
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Keywords | データマイニング / 図書館マーケティング / 学生の学習モデル / 授業データ解析 / 図書館データ解析 |
Research Abstract |
今年度は昨年度と同様に大学図書館の貸出データおよび授業データの解析を通じた学生のモデル化,そしてそれに基づいた学生への学習支援方法に関するテーマ研究をの更に進めた. 前者のテーマに関しては,学生の興味範囲の学年ごとの違いや,図書貸出分野の傾向に基づいた学生の興味範囲のプロファイルの類似度をベースに,学習グループの候補を生成・推薦する手法に関する研究を行い,その成果を国際会議等を通じて発表した.また,新たに,3つの評価軸を設定し,それらとの相対的距離を反映させた3分法の(Trichotomic)アプローチによる情報の提示法を考案し,図書館利用者および利用者グループの興味範囲の視覚化に適用した.これらの研究成果を踏まえ,日本図書館協会発行の「現代の図書館」誌に「図書館データマイニングのすすめ-図書館マーケティングの可能性を拡げるためにー」なる論文を依頼により発表した.それ以外の研究成果も順次発表を行っている. 後者のテーマに関しては,昨年度の研究成果の継続として,授業の受講態度などに関する学生自身の評価と試験成績の相関などを分席した結果を学会発表した.その他,IR(Institutional Research)の一環としての授業データ解析研究の意義に注目した考察を行った. 今後,これらの研究成果を踏まえ,更なる知見の発見を目指した研究を展開していくとともに,(たとえば,機関リポジトリなど)新たなデータを加えた解析および解析手法の開発を行っていくことが課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は,図書館データ解析に関しては,国際会議論文4件,ジャーナル論文2件,査読なしの論文1件,日本図書館協会からの依頼による啓蒙的論文1件,計8件の論文を発表した.また,授業データ解析に関しては2件の国際会議論文を発表し,その他,機関研究に関連した論文なども発表を行うことができた. ジャーナル論文の2件は国際会議発表論文の中で,ジャーナル論文として選ばれたものであり,一定のレベルの研究であると認められたものである.また,今年度には間に合わなかったものの,もう1件,論文を集めた図書の1章として選ばれた論文がある.これらの結果は,想定以上の成果であったと評価している.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には今後も現在のペースを維持しつつ研究を進めて行く.新しいチャレンジとして,九州大学附属図書館の機関リポジトリのログデータを入手し,その解析を行うことにより,学生の興味分野と機関リポジトリに論文などを登録している教員の分野とのマッチングを試みることや,九州情報大学附属図書館貸出データを用いて,現在用いている九州大学附属図書館のデータと比較すること,また,新たな授業データを構築し,それらを用いて学生のより精密なモデル化を試みることなどを考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は予定を越える研究成果が出たものの,発表の一部を本研究費とは異なる共同研究者の費用負担で行ったり,ジャーナル発表論文の投稿料が免除されたりしたため,研究成果に比し,少ない経費で済んだことが1つの理由である.また,予定していた研究備品購入の支払が,消費税変更に伴う納期期間の延長のため,本年度ではなく,来年度の購入処理になったことも次年度使用額が生じた理由である.その他,来年度も今年度と同様の研究成果が出せる見込みがあり,来年度の国際会議発表費用を確保するために,今年度の経費使用を節約する努力を行ったことも理由の一つということができる. 来年度は,本研究計画の最終年度となり,本研究の総仕上げとして,これまでの研究の延長線上の研究成果をこれまでにも増して上げる努力をするとともに,その後の発展を念頭に入れた研究を行い,次なる研究テーマの設定に繋げて行きたい.
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Research Products
(11 results)