2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500320
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
松岡 和生 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (50209508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20174625)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 直観像 / 脳機能イメージング / NIRS / fMRI / 初期視覚野 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)直観像素質者の認知特性について:新たに得られた知見として、1)物体性・空間性イメージ能力を測定する質問紙OSIQ(Kawahara & Matsuoka, 2013)に関するデータ分析から、直観像素質者は非素質者群と比べ、イメージの色や形態の感覚的鮮明性に関わる視覚情報の物体イメージ処理能力の高さと方向感覚や空間関係把握に関わる空間イメージ処理能力の相対的低さで特徴づけられること、2)イメージ関連能力の調査から、直観像素質者には共感覚(主に色字共感覚と色聴)を有する割合がきわめて高いこと(直観像の判定基準を満たした素質者の約半数、強い直観像素質を有する者ではほぼ全員)、という興味深い結果が見いだされた。 (2)強い素質者5名に対する面接調査を実施し、直観像の現象的特徴、直観像所有者の日常生活におけるイメージ経験に関するデータを収集、分析した。その結果、直観像の脳内情報処理を考えるうえで極めて示唆的なデータが得られた(ex.イメージの混色とエンメルトの法則を示す例、定位面および像への視線活動の特徴など)。 (3)NIRSデータの再分析:NIRS-SPMを用いてより精緻なデータの再分析を試みた。その結果、直観像素質者のイメージ想起時のおいて左視覚野(O1近傍)と左前頭前野背外側部の賦活を示す結果が得られた。 (4)fMRIを用いた素質者の直観像喚起に関わる脳活動計測:3テスラMRI装置を用いて撮像実験を実施した。典型的に強い素質者を対象とした撮像結果から、素質者の鮮明・詳細なイメージ喚起の内観報告にもかかわらず、V1の賦活は見られず(negative)、強い賦活は紡錘状回を含むより高次の腹側系視覚経路に生じることを示唆するデータを得た。これはV1の賦活が直観像のクオリアに必ずしも必須ではないことを示す結果であるが、今後、さらにデータを追加して検討を進めていく必要がある。
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Research Products
(1 results)