2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500324
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
宮下 真信 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (20443038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 繁 電気通信大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70281706)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 方位マップ / げっ歯類動物 / salt&pepper / デコーディング / 方位選択性 / 興奮性結合 / 単純型細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ネコやフェレットの視覚野には、神経細胞の応答を最大とする刺激方位に基づいて、細胞が規則正しく並んだ方位マップが存在している。一方、マウスやラットといったげっ歯類い動物の方位マップはSalt & Pepperと呼ばれる構造となっており、方位に関する周期性が低いことが報告されてきた。我々は、げっ歯類動物では皮質における興奮性の相互作用がネコやフェレットよりも疎であることに着目し、外側膝状体‐皮質間の学習モデルを精緻化した。その結果、興奮性の結合密度を表すパラメータpの値が、0.1と低くなると方位マップがSalt & Pepperの構造となることをシミュレーションによって示した。この値は、ラットでの興奮性結合を調べた実験結果とも良く一致していた。また、Salt & Pepperの構造であっても神経細胞の方位選択性は規則的構造とほぼ同程度となることが予測された。我々は、ネコのような規則正しい方位マップとSalt & Pepper構造との機能的な違いを調べるために、網膜に投影された入力画像をモデル視覚野細胞の応答から予測するデコーディング数理モデルを適用した。ここでは、入力画像とデコードされた画像間の類似度を評価した。その結果、Salt & Pepper構造であっても規則正しい構造の場合と同程度に入力画像がデコードされることがわかった。以上の結果から、ネコやフェレットのような規則的な方位マップとげっ歯類動物のSalt & Pepper構造では機能的には大きな差がないことが予測された。
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