2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500334
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
仲渡 江美 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 講師 (30509211)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 顔認知 / 乳児 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では,母子間の最初の社会的なコミュニケーションで重要な役割を果たす‘顔’認知の発達傾向をより詳細に検討するために,生後3-8ヶ月の間,毎月乳児の脳血流量の計測を近赤外分光法(NIRS)によって行い,縦断的研究を遂行することを目的とした. その結果,Nakato et al(2009)の研究と同じく,正面顔と横顔を観察中の顔の認識能力の発達に違いが認められた.すなわち,正面顔を提示中には,生後早い段階(4ヶ月頃)から右側頭部での活動が増加し,その反応は発達とともに,緩やかな活動の増加が見られた.一方で,横顔に対しては,生後遅い段階(7-8ヶ月頃)から,右側頭部での活動が急速に反応し始め,それぞれの顔に対する脳活動の発達曲線が異なる可能性が考えられた. これまでの結果から,乳児の顔に対する認知能力を,NIRSを用い脳活動計測から縦断的にアプローチすることによって,横断的な研究では探ることのできない顔認知のダイナミックな発達メカニズムを解明することが可能であった.個々のチャンネルの分析や,個人差の分析は現在実施しているが,各個人の半年間に渡る継続的なデータを収集することにより,顔認知能力の個人差や,認知機能の発達要因の追求が可能であると考える.
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