2013 Fiscal Year Research-status Report
非定常信号モデルとその係数推定手法の開発および時変スペクトル表現の提案
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24500342
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
井嶋 博 和歌山大学, 教育学部, 教授 (90397604)
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Keywords | 非定常信号 / 時変モデル / 有色雑音(フランス・イタリア) |
Research Abstract |
本研究は時々刻々統計的性質が変化する非定常信号モデルとそのモデルに含まれるパラメータの推定手法を開発し、またその推定結果に基づいた時変なスペクトルの表現手法について検討することを目的としている。第2年度は初年度に開発した、時変係数を持つ自己回帰モデルのパラメータ推定手法に対して、i)多重信号モデルへの拡張、ii)有色雑音が付加されたデータからの推定の2点を行った。 i)においては、各チャンネルの観測雑音が相互に無相関な白色雑音の場合については、初年度に提案したEIV(errors-in-variables)手法をそのまま多重信号モデルに拡張できることを確認した。ii)においては、Zhenらがすでに提案している定常モデルにおける手法を非定常モデルに拡張し、新たな推定手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非定常信号モデルの推定手法を多重チャンネルモデルに拡張し、さらに有色雑音に乱された観測データからモデルパラメータを推定する手法を提案した。また提案した手法を地震波や音声信号に応用させるための準備を行い、いくつかのデータに対して応用し本手法の有効性を確認した。これらの成果について国際会議論文として1編発表し、さらに2編投稿中である。以上のことから当初の計画通り、研究を遂行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施した非定常モデルとそのパラメータ推定手法に基づき、i)信号の時変なスペクトル表現の提案と、ii)提案した信号モデルの応用の2点を行う。 i)については、提案している非定常信号モデルに基づいた、正確なスペクトル表現が可能なものを検討し、さらに、これまでに提案されている、スペクトル表現との関連についても明らかにしていく。 ii)については、様々な種類の非定常信号についての応用を行い、提案手法の有効性が確認できる限度について調査し、研究を総括する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文発表が次年度に持ち越したため。 研究終了年度内に研究に関連する全ての論文を発表し、研究期間全体を通しての計画に沿った助成金の使用を行う。
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