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2013 Fiscal Year Research-status Report

総合的観点からのメタアナリシスの方法論の構築

Research Project

Project/Area Number 24500355
Research InstitutionThe Institute of Statistical Mathematics

Principal Investigator

逸見 昌之  統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (80465921)

Keywords回帰モデル / 公表バイアス / 情報幾何 / 国際研究者交流(英国)
Research Abstract

本年度はまず、主に医療分野におけるリスクなどの予測を目的とした、回帰モデル(特にロジスティック回帰モデル)のメタアナリシスの課題について取り組んだ。医療分野においては近年、疾患の発生などのリスク予測モデルが蓄積され、メタアナリシス等の情報統合の必要性が認識されてきているが、メタアナリシスの問題としても従来にはない新しいものである。具体的には、まず手始めとして、回帰係数の推定に対するメタアナリシスの方法について検討を行った。これ自体も新たな試みではあるが、予測の精度を高めるためのメタアナリシスという意味では機械学習とも接点を持つ課題であるので、今後はその方向でも検討を行う。この課題についてはまだ論文等は出ていないが、来年度中には論文の執筆・投稿を行い、学会発表等も行う予定である。また本年度は、国内の医学統計研究者や海外(英国)のメタアナリシス研究者との研究交流も行い、主に、回帰モデルのメタアナリシスやメタ回帰分析における公表バイアスの問題について、議論を行った。公表バイアスの問題は、どのようなタイプのメタアナリシスにも生じ得る問題であり、今後も(医療分野の伝統的なメタアナリシスだけでなく)総合的な観点から対処法の検討を行っていく予定である。さらに、数学の研究者と共同で、メタアナリシスの情報幾何学的側面についての考察も行った。情報幾何学では、統計的推論の構造を(主に)微分幾何の手法を用いて考えていくが、メタアナリシスの数理的な構造の理解を深めていくことは、総合的な観点からメタアナリシスの方法論を考えていく上でも役に立つものと思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、当初の予定では機械学習に関する問題についても検討することになっていたが、連携研究者との議論が十分に行えず、あまり検討が進まなかった。ただ、年度当初に計画していた予測モデル(回帰モデル)のメタアナリシスについては検討がある程度順調に進み、また海外(英国)の研究者との議論も行えたことは、今後に繋がっていくと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

これまで連携研究者との議論が十分に行えず、バイオインフォーマティクスや脳・神経科学などにおけるメタアナリシスの方法論の検討や機械学習的なアプローチに関する考察がまだ不十分な状態であるが、今年度は連携研究者との交流をより活発にし、まとめて進めていく予定である。また、昨年度より取り組んでいる回帰モデル・予測モデルのメタアナリシスや公表バイアスの問題についても、引き続き検討を行っていく。さらに、今年度も可能な限り海外(英国)の研究者との交流・議論を行う。今年度は最終年度ということもあるので、個々の問題についての検討をしながら、総合的な観点からのメタアナリシスの方法論発展の可能性と方向性について、今後の見通しをまとめたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額が生じた理由は、主に連携研究者との研究交流が十分に行えず、そのための旅費が残ってしまったことによる。
今年度、研究費は主に海外出張や連携研究者等との研究交流のための旅費として使用する予定である。海外出張は、国際計量生物学会の国際会議(IBC2014)での研究発表と英国や米国の研究者との研究交流を予定している。また、研究の遂行に必要なコンピュータや書籍の購入も行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Hessian Structures on Deformed Exponential Families2013

    • Author(s)
      Hiroshi Matsuzoe and Masayuki Henmi
    • Journal Title

      Lecture Notes in Computer Science

      Volume: 8085 Pages: 275-282

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Covariate shift adaptation from a viewpoint of missing data problems2013

    • Author(s)
      Masayuki Henmi
    • Organizer
      RSS 2013 International Conference
    • Place of Presentation
      University of Northumbria, Newcastle, UK
    • Year and Date
      20130902-20130905

URL: 

Published: 2015-05-28  

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