2013 Fiscal Year Research-status Report
ブロック・リサンプリング法に基づく2群の平均比較に関する新展開とその応用
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24500357
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
櫻井 裕仁 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (00333625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田栗 正章 中央大学, 理工学部, 客員教授 (10009607)
汪 金芳 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10270414)
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Keywords | ブロック・リサンプリング法 / ブートストラップ法 / stationary bootstrap / 平均の有意差検定 |
Research Abstract |
本研究では,2群のデータが縦断的データとして与えられる場合について,2群の平均(曲線)が等しいかどうかを判断するための検定法の開発と応用に関する研究を行うことを目的とする。また本研究では,より実用的な方法の開発を目指すことも目的とする。すなわち,各群の母集団分布には正規分布など特定の分布形を仮定せず,かつ,データの従属性を考慮するブロック・リサンプリング法に基づく検定法の開発と応用に関する研究を行うことも目的とする。本年度は主として,対応のない2群の縦断的データが与えられる場合について,可変長ブロックに基づく2群の平均の有意差検定法の開発に関する研究成果が得られた。本研究で扱うような縦断的データを扱う場合,隣り合うデータ間の相関構造をどのように扱うかということが問題となる。また,一般に我々が観測するデータ(標本)は2群の母平均が等しいという帰無仮説のもとで得られるものではないため,観測した標本に基づき,検定統計量の帰無仮説のもとでの分布(帰無分布)をどのように近似するかということも問題である。これらの問題に対処するため,以下のような検定法を適用することを検討した。まず,各群において平均系列を求め,それを各群の標本平均で中心化する。次に,各群において中心化した系列にstationary bootstrap法を適用し,可変長のブロックからの無作為復元抽出により得られた,上述した差の平均系列に対応するリサンプルを構成する。最後に,得られたリサンプルからp値のモンテカルロ近似値を計算し,帰無仮説(2群が平均が等しい)を棄却するか否かを決定する。詳細な数値実験を行った結果,このような検定法を用いた場合には,データ間の相関が弱く,サンプルサイズがかなり小さいような場合においても,名目上の検定のサイズを維持し,また従来の方法と比較して高い検出力が得られるという知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,2群が対応のない縦断的データとして与えられる場合に適用することの可能な,2群の平均に関する有意差検定法の研究を行い,研究実績の概要の項で述べたような知見が得られた。この方法は,母集団分布には特定の分布形を仮定せず,かつ隣り合うデータ間の従属性を考慮するブロック・リサンプリング法に基づく検定法である。研究実績の概要の項で目的として述べたような検定法に関する研究成果が得られており,本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様な方針により,今後も本研究課題を進める予定である。すなわち,国内外の文献調査を行い,各種の研究集会に参加することにより,本研究で対象とする問題の現実的具体例を引き続き収集する。また,本研究で対象としている縦断的データの場合に妥当と考えられる検定統計量の検討,および,検討の対象とした検定統計量の帰無分布の近似法の研究をブロック・リサンプリング法の観点から行う。得られた研究成果については,各種の研究集会や学術論文として発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の使用予定に変更が生じたため。 次年度使用額(B-A)は,平成26年度の研究を効率的に進めるため,物品の購入等に使用する予定である。
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