2013 Fiscal Year Research-status Report
統合的な視覚計算論と国際標準仕様に従う数理モデル開発
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24500371
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 俊治 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 准教授 (50333844)
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Keywords | 視覚数理モデル / 網膜 / 視覚的注意 / saliency map / OpenRTM-aist |
Research Abstract |
本年度で計画した中低次視覚モデルの代表例として Saliency map モデルがある.Saliency map は「人が画像中のどの部分に注視位置を向けやすいか」を予測するモデルであるが,これまでに多くの研究者によって,異なるモデルが提案されてきた.しかし各モデルが独自の入出力フォーマットで実装されているために,モデルの定量的な評価を簡便に行うことができなかった.そこで本年度は主要な Saliency map モデル 13種類を全て,共通インターフェースを持つ OpenRTM-aist のコンポーネントとして実装した.この成果により (1) 視覚研究者はそれぞれのモデルを簡便に定量評価することができるし,(2) これを利用するロボットビジョン研究者もまた,その詳細を知ることなく人の注視位置を予測する機能を導入することができる.これら13種のコンポーネント(13種の視覚モデル)の一部は視覚研究プラットフォームである Visiome (https://visiome.neuroinf.jp/) からダウンロードすることができる. また,視覚研究(科学)とロボットビジョン(工学)いずれにおいてもしばしば無視される「網膜による画像処理モデル」もコンポーネント化し,上記 Visiome に登録した. さらに様々な視覚数理モデルを構築するための「共通部品」を整備するために,OpenCVと呼ばれる画像処理ライブラリ中の様々な関数をコンポーネント化した.この成果は http://hi-brain.org/ から無償でダウンロードできるようにした. 本年度は上記実績に加えて,両眼立体視に関わる計算理論の構築も目的としていた.この目的についても具体的な成果を得ることができ,国際会議 ICONIP 2013 で発表を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画をすべて達成することができ,加えて Saliency map モデルの構築も行った.また,平成26年度で計画していた,数理モデル公開・共有のための webページ作成やデータベース登録の準備を並行して行うことができたため,「(1)当初の計画以上に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果は,多くの視覚研究者ならびに視覚を専門としない研究者(ロボットなど)に広く用いられることを目指している.そのために様々な研究機関や研究者に,本研究で開発・実装したソフトウェアやコンポーネントを試用してもらい,より良いシステムになるよう改良を重ねる予定である. そのためには,多種多様な研究会等での周知が必要であるため,精力的に研究発表を行う予定である.
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