2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500377
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
泰羅 雅登 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50179397)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニホンザル / 頭頂葉内側面 / 海馬傍回 / 風景情報 / 運動情報 / サーベイマップ的表象 / ルートマップ的表象 / 機能的MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、広い空間内のナビゲーションにおいて、頭頂葉内側領域と海馬傍回との間にどのような機能的差異が存在するのかを調べることを目的として、同じ課題を用いて、2頭のニホンザルの海馬傍回(PHC)、頭頂葉内側面(MPR)から記録した単一ニューロン活動を記録し解析をおこなってきた。昨年度報告したように、PHCニューロンは主として風景情報を処理し、MPRニューロンは運動情報の選択に係るとい結果を得たので論文を投稿したところ、いくつかのコメントが得られたため再解析し論文の再投稿準備中である。 機能的MRI実験において、実験に先立ち、実験で用いる課題の検討を行い完成させた。 被験者には以下の二通りの方法で街並みの地図(認知地図)を覚えさせる。1)サーベイマップ的表象の構成:「右方向を見ると手前に郵便局、その先には警察署の建物が見え・・」のように俯瞰的に目印を覚えさせ、全体の認知地図を構成する。2)ルートマップ的表象の構成:「右に進んだ先には郵便局、左に曲がるとスーパーマーケット・・」のように道をたどりながら目印を覚えさせ全体の認知地図を構成する。その上で、認知地図がどの程度正確に構成されたかを検証するためのYes、Noで回答できる質問を準備し、その結果から構成された認知地図の確かさを客観的に判断することとした。これよって、記銘と想起に関わる脳内機構を探る。機能的MRI実験では時間的制約があるため、1.どの程度の認知地図の広さと複雑さが適当であるか、2.文章の提示をする際に一度に提示する文章の量はどの程度が最適か、3.どの程度の繰り返し提示が適度の認知地図の構成に適切か、4.検証のための質問数はどの程度が適切か、についての検討をおこない、実際の機能的MRI実験実施できる状況にある。
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