2013 Fiscal Year Research-status Report
オレキシンによる脳幹呼吸調節機構の修飾作用ー幼若動物と成熟動物との比較検討ー
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24500380
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
横田 茂文 島根大学, 医学部, 助教 (50294369)
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Keywords | オレキシン / 結合腕傍核 / 横隔神経核 / 腹側呼吸ニューロン群吻側部 / 舌下神経核 / 覚醒 |
Research Abstract |
本研究では、覚醒・睡眠状態によって変化する呼吸の調節機構を理解するために、覚醒・睡眠の制御ペプチドであるオレキシンが呼吸および気道の開通性を調節する神経路に如何に作用しているかを、機能形態学的立場から追求することを目的とした。 平成25年度は、横隔神経核や腹側呼吸性ニューロン群吻側部あるいは舌下神経核に投射する結合腕傍核ニューロンとオレキシン神経終末の間に形成されるシナプスを電子顕微鏡下で解析した。成獣ラットのKolliker-Fuse (KF) 核に観察されたオレキシン陽性神経終末には、多くの大型の芯有シナプス小胞を含むものや、それと同時に小型の球形のシナプス小胞を含むものが認められた。それらの神経終末と結合腕傍核ニューロンの細胞体や樹状突起の間に形成されるシナプスのほとんどは非対称性であることが観察された。また、いくつかのオレキシン陽性神経終末は、フルオロゴールドで標識された横隔神経核や腹側呼吸性ニューロン群吻側部あるいは舌下神経核へ投射するKFニューロンとシナプスを形成することが観察された。また、結合腕傍核に多くのオレキシンレセプター2の発現が免疫組織化学的に認められた。 次に新生児期の結合腕傍核におけるオレキシン陽性神経線維の分布を解析した。新生児期は上小脳脚の発達が弱いため、成獣と同様な細胞構築が困難である。そこで、まず新生児期の結合腕傍核の同定を結合腕傍核のマーカー蛋白となるFoxP2に対する免疫組織化学およびrVRG投射ニューロンの分布を解析することにより行った。この結果を用いることにより、新生児期においてもオレキシン陽性線維が結合腕傍核に分布することを確認した。 これらの結果から、睡眠・覚醒状態を制御するオレキシンの呼吸調節における作働経路の一端が解明できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フルオロゴールドを逆行性標識物質として用いることにより、細胞体や近位樹状突起のみならず遠位樹状突起にまで標識することができた。また、銀増感-金置換法を用いてオレキシン陽性終末に銀粒子を沈着させることで、電子顕微鏡下でフルオロゴールド陽性ニューロンとの違いを明確にすることができた。これらの方法により電子顕微鏡下で観察する際に効率的なデータの収集を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は引き続き電子顕微鏡による解析を行うと同時に、逆行性標識法と免疫組織を併用して横隔神経核や腹側呼吸性ニューロン群吻側部あるいは舌下神経核へ投射するニューロンがオレキシンレセプター2を発現するか否かを確認する。次に、新生児期における横隔神経核や腹側呼吸性ニューロン群吻側部あるいは舌下神経核へ投射する結合腕傍核ニューロンへのオレキシン終末の接合様態について同様の解析を行う。また、オレキシンに対する結合腕傍核ニューロンの反応を電気生理学的に解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電子顕微鏡の解析が効率よく行われたため、現状ではダイヤモンドナイフを購入していない。また、国外学会への参加をしていないために繰越額が生じた。 今年度はin situ hybridization用のprobe作成に必要な試薬および電気生理学的解析に必要な物品・薬品を購入予定である。また、電顕観察のためのダイヤモンドナイフを購入予定である。
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Research Products
(11 results)