2013 Fiscal Year Research-status Report
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24500396
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
黄田 育宏 独立行政法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳機能計測研究室, 主任研究員 (60374716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 徹 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80261361)
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Keywords | 味覚 / MRI / 脳機能 / 非対称性 / 大脳味覚野 / 島皮質 / BOLD |
Research Abstract |
本研究は、基本味に対する大脳味覚野での空間的な活動パターンや大脳味覚野への軸索投射の形態的・機能的なネットワークを検討し、味覚中枢情報処理機構の解明を目的としています。 齧歯類の大脳味覚野は側頭部にある島皮質の一部であり、中大脳動脈の吻側と尾側および嗅静脈の背側に位置すると考えられています。光イメージングを用いた実験では、その領域に味刺激による応答を観測しています。従って、中大脳動脈と嗅静脈の交差位置は大脳味覚野の指標となります。左右半球における血管の交差位置を詳細に調べることで、大脳味覚野の左右対称性を検討しました。光イメージングを用いた場合、頭蓋骨を開けるために各々の半球の交差位置を明瞭に観察できます。しかし、両半球の側頭部にある交差位置を観察するにはラットの体を回転させる必要があり、両半球の交差位置を正確に測定することはできませんでした。そこで、MRIを用いて血管撮像を行いました。通常の血管造影には3次元血管撮像法が用いられ、動脈などの速い流速の血管を選択的に撮像します。しかし、交差位置を調べるには静脈側の血管撮像も必要なため、画像に対して垂直に流入する血管を強調できる2次元血管撮像法を用いました。しかし、嗅静脈の観察はできましたが、交差位置は明瞭に観察できませんでした。そこで、血流速度を増加し血管をより強調できるように、ラットに炭酸ガスを吸入させ、血管撮像を行ったところ、両半球の交差位置を明瞭に観察することが可能となりました。その結果、左半球の交差位置は、右半球の交差位置よりも吻側にあることが明らかになりました。光イメージングでは、味刺激による中大脳動脈付近の応答は、左右半球で同程度でした。これらの結果は、fMRIで得られた左右半球非対称な応答結果と一致しています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRIによる血管撮像法により大脳味覚野の基準となる血管交差位置を同定し、左右半球で大脳味覚野は非対称な位置にあることを明らかにしました。また、大脳味覚野での味刺激による応答は中大脳動脈の吻側と尾側および嗅静脈の背側で見られ、左右半球で同程度であることを明らかにしました。 現在では、扁桃体や側坐核などから大脳味覚野への神経軸索の投射とConnectivityの左右半球の対称性を検討するため、MRIによるdiffusion tensor imagingおよびresting fMRIの計測に着手しています。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度と同様に、研究実施計画を達成できるように研究を推進します。 昨年度に確立した血管撮像法を用いて左右半球での血管分布を明らかにし、それを基準として扁桃体や側坐核との白質線維束ネットワークおよびそれらの領域とのConnectivityを測定します。それらの関係を検討し、左右半球の大脳味覚野の対称性を明らかにする予定です。
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[Journal Article] Phantom and mouse experiments of time-domain fluorescence tomography using total light approach.2013
Author(s)
Okawa S, Yano A, Uchida K, Mitsui Y, Yoshida M, Takekoshi M, Marjono A, Gao F, Hoshi Y, Kida I, Masamoto K & Yamada Y
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Journal Title
Biomedical Optics Express
Volume: 4
Pages: 635-651
DOI
Peer Reviewed
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