2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動履歴に伴う受容体輸送制御におけるRabエフェクター分子の役割
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24500400
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
清末 和之 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, グループリーダー (50356903)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜輸送 / シナプス可塑性 / 活動履歴 / 受容体輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
シナプスにおける神経伝達受容体の種類・数量は、シナプス伝達の強度を決めるのみならず、シナプス可塑性の性質を決める大きな要因である。さらに、シナプス可塑性の発現はその神経活動の履歴に依存していることが知られている。しかしながら、その分子機構は明らかではない。 昨年度まで、Rabpatin-5が活動に依存して減少すること、グルタミン酸受容体の表面発現を促進する機能があることを明らかにしてきた。本年度は、Rabaptin-5のスプライスバリアントの解析とKOマウスを用いた解析を実施した。 Rabaptin-5は少なくとも5種のスプライスバリアントを持つことが報告されている。実際に脳組織でどのようなスプライスバリアントが発現しているかは不明であり、これを確認した。少なくとも、2種が発現していることをPCRから確認できた。このスプライスバリアントはRab5との結合領域を欠損するバリアントであり、機能的な違いが期待される。これまでの研究でRabaptin-5は活動依存的に減少することを明らかにしてるが、このRabaptin-4においてはその減少が見られないことが確認できた。すなわち、これらRabaptin-5のスプライスバリアントは、Rab5との結合能力と活動依存的に減少する機能を差別化してもち、受容体の輸送を精緻に制御できることを示唆している。 さらにこの分子の重要性を明らかにするために、マウス個体由来の組織標本を用いて解析を行った。急性海馬スライス標本でのシナプス機能解析、により、短期のシナプス可塑性では短期、長期のシナプス可塑性においても機能異常が確認できた。以上の研究により、Rabエフェクター蛋白質の活動依存的変化が、グルタミン酸受容体の輸送を制御する機構の一端が明らかにできた。
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