2013 Fiscal Year Research-status Report
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24500411
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 清司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30243124)
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Keywords | 脳室周囲器官 / 血管新生 / 神経新生 / 血管透過性 / 神経分泌 / 血液脳関門 / 内皮細胞 / ペリサイト |
Research Abstract |
1)「脳室周囲器官・正中隆起においてVEGFによる血管新生」脳室周囲器官のひとつで前葉ホルモン刺激因子を分泌する正中隆起で、内皮細胞の増殖がBrdUを用いた免疫組織化学で認められた。さらに、内皮細胞の増殖を促進するVEGFが神経末端部に特異的に存在すること、および新生血管に高い発現を示すNG2、PDGFRB、 DLL4がペリサイトに認められた。内皮細胞の増殖は、VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤を経口投与することで阻害された。以上の結果より、成体脳の正中隆起において、血管新生が生じていることが明らかになった。 2)「脳室周囲器官におけるアストロサイトTRPV1の血液情報感知機構」脳室周囲器官のOVLT, SFO, APにおいては血管周囲を密なアストロサイトネットワークが存在する。高浸透圧、熱、酸を感知するTRPV1の発現を調べたところ、アストロサイトに特異的に局在していた。さらに、TRPV1 agonistであるRTXを静脈内投与すると、脳室周囲器官のアストロサイトに顕著なFos発現が誘導された。このFos発現の誘導は、脳内投与でも生じた。以上の結果は、脳室周囲器官のアストロサイトに存在するTRPV1が直接的に血液および脳内の情報を感知していることを示している。 3)「脳室周囲器官における神経新生」脳室周囲器官のOVLT, SFO, APにおいて、血管内皮細胞以外にも神経幹細胞の増殖が観察された。これらの、神経幹細胞の一部は、神経細胞へ分化していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳室周囲器官の血管新生やその機能に関する論文を数多く掲載することができた
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Strategy for Future Research Activity |
現在 脳室周囲器官の血管新生に関する論文を投稿し審査を経て改訂中であるので ぜひともこれらの論文を受理させたい
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額残額を次年度に繰り越す 次年度の消耗品購入に充当する
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