2014 Fiscal Year Annual Research Report
発生早期に特定の運動神経に起こる細胞死を決定する転写因子の解明
Project/Area Number |
24500414
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
八木沼 洋行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90230193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 慶治 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (10106354)
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20261795)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞死 / 運動神経 / 頚髄 / 転写因子 / Foxp1 / Hox / ニワトリ / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までの研究から、頚髄特異的な発生早期の運動神経細胞死について、Hox5分子群(Hox5a, 5c)がバックグラウンドとして機能している可能性があること、Hox分子と協働して働くFoxp1分子が細胞死の決定に何らかの関与をしている可能性が示唆された。平成26年度はこれらの可能性をさらに検証するために、以下の様な研究を行なった。 (1)頚髄におけるHox5以外のHoxの発現による影響の解明: 上肢に分布する神経を出す頚膨大部以下で発現が認められるHoxc6の頚髄上部での強制発現の影響を調べたところ、細胞死が減少することが認められた。この現象の意義についてはさらに解析が必要である。 (2)比較的遅くに分化する運動神経に出現し、Foxp1をターゲットとするmicro-RNA9(mi-R9)の影響の解明: mi-R9の強制発現による影響を詳細に調べたところ、細胞死の直前の時期において、Lim3陰性でFoxp1陽性の細胞は認められず、ほぼ全ての運動神経にLim3が発現していた。この前の時期に細胞死は認められないことから、本来Lim3の発現低下を起こすべき細胞がLim3の発現低下を起こさなくなったためと考えられた。さらに、本研究の過程でmi-R9の強制発現は脊髄副神経運動神経の背側への移動を妨げることも明らかとなった。 (3)不死化による分化方向の解析: 抗アポトーシス作用を持つBcl2の導入により死ぬべき細胞を不死化したときの転写因子分化マーカーの発現について解析した。細胞死の時期を過ぎても、Isl1陽性、Lim3陰性、Foxp1陽性の細胞群が存在し、それらは外側運動神経核のマーカーであるRALDH2を発現することが明らかとなった。このことは死ぬべき細胞は、本来頚髄には存在しないはずの外側運動神経核への分化を始めた運動神経であることを示唆する。
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Research Products
(8 results)