2012 Fiscal Year Research-status Report
末梢神経障害後の脊髄マイクログリアでのATP受容体-Rhoを介した形態変化の解析
Project/Area Number |
24500416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
小林 希実子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70418961)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクログリア / 脊髄後角 / 神経障害性疼痛 / Rho kinase / P2Y受容体 |
Research Abstract |
近年、末梢神経損傷後の脊髄後角において活性化したマイクログリア神経障害性疼痛の重要な原因因子である報告が多数なされている。このときマイクログリアを活性化させる因子の一つとしてATPが知られている。これまで我々は脊髄後角の活性化マイクログリアにATP受容体のP2Y12, P2Y13受容体が増加することを報告しており、このP2Y受容体がRho の活性化をコントロールし、細胞形態変化に関与するのではないかと考え、実験を行った。Rho kinaseによってリン酸化されるEzrin, Radixin, Moesin (ERM)タンパク質はアクチンフィラメントと細胞膜タンパク質を架橋するリンカータンパク質として機能し、細胞の移動や形態変化に関与することが知られている。神経障害性モデルの一つであるSNIモデルラットを用いてこのERMタンパク質のリン酸化の発現を検討したところ、モデル作製後の脊髄において total ERMタンパク質の発現変化は見られなかったが、ERMのリン酸化が増加していた。二重免疫組織化学法にて各種マーカー抗体を用いて検討したところ、マイクログリアマーカーのIba1と高確率で共存が見られた。この結果から、Rho kinase inhibitorを髄腔内投与することでマイクログリアの形態変化等が起こりうるのではないかと考え、実験を行った。Iba1抗体を用いてSNIモデル作製3日後のマイクログリアの形態を観察したところ Vehicle投与群に比べRho kinase inhibitor投与群のマイクログリアの突起形状に変化が見られた。また、疼痛行動を検討したところRho kinase inhibitorの髄腔内投与により、機械刺激閾値の改善が見られた。今後はこれらの結果を基に更に詳細な解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rho kinase inhibitorの投与実験により、神経障害性疼痛とRhoの関与が明確になってきているため、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
P2Y受容体シグナル/Rho kinaseとマイクログリアの形態変化の検討 a) 末梢神経障害モデルラットにRho kinase inhibitorを髄腔内投与し、マイクログリアの形態変化や数の変化をより詳細に検討を行う。マイクログリアの形態変化は免疫組織化学法を用いてマイクログリアのマーカーであるIba1抗体で染色を行い、突起の形態変化やマイクログリアの数等を計測する。さらに免疫電子顕微鏡法を行い、シナプスやアストロサイトと形態変化したマイクログリアとの構造の空間的な関係を観察し、疼痛伝達系への影響を評価する。 b) P2Y agonist 投与によるマイクログリアの形態変化がRho kinase inhibitorで抑制されるかをa )と同様に免疫組織化学法を用いて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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