2014 Fiscal Year Annual Research Report
核ラミナ構築タンパク質の変異で誘導される神経変性疾患の発症機序
Project/Area Number |
24500426
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高森 康晴 関西医科大学, 医学部, 助教 (50309233)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経科学 / 細胞・組織 / 蛋白質 / 脳・神経 / 発生・分化 / 核膜 / 核ラミナ / ラミン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ラミンAとラミンCは、同一遺伝子から転写されるスプライシング・バリアントである。ラミンAの特異的抗体およびラミンのC特異的抗体の、成獣ラットの脳における最適固定条件の検討を引き続き行なった。結果、前年度で確認していた1%ホルムアルデヒドによる弱固定条件よりも、4%ホルムアルデヒド固定の後に熱処理で抗原賦活化する方がより染色が良好であることがわかった。 2.ラミンB1、ラミンB2に対する特異的抗体の最適固定条件についても、引き続き検討を行なった。ラミンB1に対する抗体では1%ホルムアルデヒドによる弱固定条件、ラミンB2に対する抗体では4%ホルムアルデヒド固定の後に熱処理で抗原賦活化する条件で染色が良好であることを確認した。 3.1、2の結果をもとに、成体ラットの終脳皮質に存在する各種グリア細胞における、4種類のラミン・サブタイプ(A、C、B1、B2)の構成パターンについての解析を継続した。各ラミン・サブタイプに対する抗体と細胞種特異的マーカータンパク質に対する抗体を組み合わせて免疫多重染色で解析した。コントロールとして皮質ニューロンでも解析をおこないし比較検討した。 4.さらに脳に存在する細胞として血管内皮細胞、髄膜に存在するマクロファージにおけるラミン構成についても解析した。血管内皮細胞におけるパターンは、ニューロンおよびグリア系の細胞と異なっていた。よく似た細胞種であるミクログリアと髄膜内のマクロファージにおいてもラミンの構成パターンに違いがあることも新たに見出した。現在、これらのデータをまとめ論文を執筆中である。 5.脳における各種の神経系細胞におけるラミン結合タンパク質(LAP1、LAP2-beta、LBR、エメリンなど)の存在パターンの免疫組織学的解析を継続した。購入したエメリン抗体ではラットの脳切片において良好な染色が見られず、新たな市販抗体の探索および染色条件の検討が必要であることがわかった。
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Research Products
(8 results)