2013 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経原発悪性リンパ腫の免疫回避機構におけるエンドセリン受容体Bの役割
Project/Area Number |
24500427
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
杉田 保雄 久留米大学, 医学部, 教授 (80216316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
寺崎 瑞彦 久留米大学, 医学部, 准教授 (70320223)
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Keywords | エンドセリン B 受容体 / 中枢神経原発悪性リンパ腫 / ケモカイン / 免疫回避機構 |
Research Abstract |
「背景と目的」エンドセリン B 受容体(ETBR)は血管収縮物質エンドセリンの受容体であり、様々な癌において免疫回避機構との相関が報告されている。本研究の目的は中枢神経悪性リンパ腫(PCNSL)におけるETBRの発現とその免疫回避機構との相関について明らかにすることである。本年度は昨年度に得られた神経膠腫についてのETBRの発現データに基いてPCNSLにおけるETBRの役割について検討した。 「対象と方法」PCNSL症例 26例を対象にした。腫瘍細胞, 血管内皮細胞でのケモカイン およびそれぞれの受容体(CXCL12, CXCL13, CXCR4, CXCR5)、腫瘍新生血管のマーカーであるCD105 (endoglin)、腫瘍浸潤 T cell-subset (TIA-1, FOXP3) の発現を検討した。 CXCL12, CXCL13の評価は腫瘍細胞の標識率により3段階で評価した (1+:0-5%, 2+:5-50%, 3+>50%)。 さらにETBR発現血管とのケモカイン、T cell-subset との相関を解析した。 「結果」CXCL12陽性は26例中26例 (1+:3 , 2+: 23)であった. CXCL12陽性例は全例で血管内皮細胞においてもCXCL12陽性所見を示した。CXCL13陽性は26例中23例 (1+: 19, 2+:4)であった. CXCL13陽性例中2例のみが血管内皮細胞に陽性を示した. CD105で血管が標識された症例は26例中11例であった。 TIA-1標識数は統計学的にFOXP3標識数よりも有意に高かった。またETBRは全例でケモカイン(とくにCXCL13陽性細胞周囲)およびCD105で標識される新生血管で発現していた。 「結論」ETBRはケモカインと共にPCNSLの微小環境を調整して腫瘍の増殖、免疫回避に関与している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に得られた神経膠腫についてのETBRの発現データに基いてPCNSLにおけるETBRの役割について検討した。方法論が確立していたためにPCNSLのケモカインを含むPCNSLの微小環境とETBRの発現が明らかにされた。また悪性神経膠腫とPCNSLとの差異が明らかにされた。しかし、平成24、25年度で収集されあたEB陽性例では検体が古い例が多くて免疫染色 でのデータが一定しなかった。そのために本年度はEpstein-Barr(EB)ウイルス陰性例と陽性例におけるETBRの発現の役割の差異は明らかにできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画としてPCNSLにおけるエンドセリン受容体(ETBR)の発現、とくにEpstein-Barr(EB)ウイルス陰性例と陽性例におけるETBRの発現の比較検討を予定していたが、EB陽性例の検体不適例が多くて免疫染色でのデータが一定しなかった。そのために本年度はEpstein-Barr(EB)ウイルス陰性例と陽性例におけるETBRの発現の役割の差異は明らかにできなかった。しかし、平成25年度後半から統計学的に解析可能な新鮮なEBウイルス陽性PCNSL症例を確保することができており、順次PCNSLについても 解析を進めている。したがって当初の計画に基いて次年度は引き続いて1. PCNSLにおけるETBRの発現並びに定量化。2. 腫瘍内浸潤しているリンパ球のsubset(とくにT細胞系統)の解析および定量化。3. EB陽性PCNSLとEB陰性PCNSL例のETBRの発現の比較検討。4. EB陽性PCNSLではLMP1欠失例、EBNA2の亜型による1,2の差異を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(2 results)