2013 Fiscal Year Research-status Report
小脳の高次機能への関与を調べるための行動課題の開発
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24500455
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
KURKIN SERGEY 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00344466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真樹 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90301887)
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Keywords | 小脳 / 高次脳機能 / 霊長類 / 心理物理検査 |
Research Abstract |
小脳は大脳皮質の前頭・頭頂連合野と橋、視床を介してつよく結合しており、運動制御のみならず、時間知覚や予測などの高次機能に関与することが示唆されている。本研究では、北大神経内科外来で小脳変性症と対照群に様々な心理物理検査を行い、小脳が関与する高次機能を評価するための実験課題の開発を目指している。また、将来その脳内メカニズムを調べる神経生理学・薬理学実験を行うために、類似の行動課題をサル用に開発し、訓練を行う。 2年目のH25年度は、引き続き、純粋小脳型の脊髄小脳変性症(SCA6/31)と統制群からのデータ収集を行った。小脳変性症では時間予測に基づいた行動制御に困難があることが示唆されている。また、これらの被験者のMRI画像を用いたVBM解析を行ったところ、半月小葉の容積と一部の課題成績の間に有意な相関を認めた。さらに、これらと並行して、サル・ヒトの両方で行うことのできる行動課題の開発を進めている。今後もより精度の高い検査方法を模索するとともに、臨床所見や画像による脳各部の変性の程度と検査成績の相関を調べる。小脳患者でのデータはH26年度中に論文にまとめることを目ざす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として計画通り、おおむね順調に研究が進展している。開発中の課題もサルで訓練できそうなため、今後に期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、当分野の大学院生が中心となってデータの収集を行っている。臨床データを収集するのは人手と時間がかかるため、H26年度も継続する必要がある。また、ヒトの眼球運動の測定ができるようにセットアップを進める。小脳変性症のコントロールとして、基底核疾患で同様の課題を行うことも検討する。脳深部刺激療法の症例でも予備的な実験をしており、今後、本格的にデータを収集するか否か検討する。実験動物を用いた研究に関しても、実験を継続する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Contribution of the cerebellum to perceptual prediction. (知覚的予測における小脳の役割)
Author(s)
Matsushima, A., Itoh, S., Yoshida, A., Kurkin, S., Yabe, I., Sasaki, H., Tanaka, M.
Organizer
日本神経科学学会
Place of Presentation
京都国際会館(京都市)