2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞膜表面および細胞内機能分子による線条体シナプス伝達修飾機構の解析
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24500464
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
籾山 俊彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20230055)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドーパミン / ノックアウトマウス / 大脳基底核 / 線条体 / シナプス / 行動 / アセチルコリン性ニューロン / D2型受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドーパミン受容体ノックアウトの脳スライス標本を用いた電気生理学的解析により、大脳基底核の抑制性シナプス伝達制御におけるドーパミンおよびドーパミンD2型受容体の生理的機能、また、線条体のアセチルコリン性ニューロンの発火制御におけるD2型受容体の機能を明らかにした(Neuroscience 263, 138-147,2014)。 ドーパミン受容体ノックアウトを用いた行動学的解析により、大脳基底核関連行動におけるドーパミンD1型およびD2型受容体の機能を明らかにした(Frontiers in Integrative Neuroscience, 8, 1-11, 2014)。 大脳基底核は行動制御の中枢であり、その病的状態として、パーキンソン病やハンチントン舞踏病といった難病の発症機構に深く関連していることから、本研究が、これらの病態発症機構解明および新たな治療法の開発につながることも期待したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドーパミン受容体ノックアウトマウスを用いた電気生理学的、および行動学的解析の両方を行なうことによって、ニューロン、シナプスレヴェルから見た受容体機能解析、および個体レヴェルから見た受容体機能解析を、同時に行なうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に一部を明らかにした細胞内ムスカリン性受容体の機能(Journal of Neurochemistry 126, 360-371, 2013)を、大脳基底核および前脳基底核シナプスにおいて明らかにするとともに、中枢シナプス伝達における核内転写因子の修飾機構の解析を行なう。
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Causes of Carryover |
研究計画の内で、前頭基底核および線条体における細胞内ムスカリン受容体の機能解析に関して、さらに追及すべき問題が生じ、この分の解析が未消化となった。さらに、中枢シナプス伝達における細胞内情報伝達系の修飾作用に関して、核内転写因子の機能解析に遅れが生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記未消化内容遂行のために、実験動物(マウス、ラット)および薬品類等の消耗品代として使用する。
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Research Products
(8 results)