2012 Fiscal Year Research-status Report
哺乳類網膜神経節細胞の樹状突起上の抑制性シナプスの分布と視覚情報処理機能との関係
Project/Area Number |
24500467
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小泉 周 生理学研究所, 細胞器官研究系, 准教授 (10296551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 徹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30361075)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニューロン・シナプス・神経回路 / 網膜 / 視覚情報処理 / 組織培養 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究は、成体哺乳類網膜の視覚情報処理において異なる機能を示す12種類の網膜神経節細胞(RGC)のシナプス統合過程の違いを知るため、樹状突起上の抑制性シナプスの空間的な分布の特徴を明らかにし、視覚情報処理機能との関係を調べることである。そのために、申請者の開発した成体哺乳類の網膜組織培養法を用いて、遺伝子銃によって抑制性シナプス・マーカー(プラスミド)を遺伝子導入し、樹状突起上の抑制性シナプスの位置を可視化して、その分布特性を解析することを目的とした。 平成24年度は、まず、網膜組織培養法と遺伝子銃による遺伝子導入を確立させた。成体のウサギおよびげっ歯類(主としてラット)網膜に対して遺伝子銃を用いて遺伝子導入を行った。ウサギの網膜は12種類のRGCの形態と機能が明確に記述されており、本研究の対象に最適であるが、ウサギそのものが高価で貴重である。そこで、以下、抑制性シナプス・マーカーの探索には、より安価で簡単に手に入れることができるげっ歯類(主としてラット)網膜をまず用いた。 次に、より忠実に抑制性シナプスをラベルする抑制性シナプス・マーカー(プラスミド)の探索を行った。いくつかの抑制性シナプス・マーカー(プラスミド)の候補について、これらの遺伝子を成体げっ歯類網膜に対して遺伝子導入し、RGCの樹状突起上において、より忠実に抑制性シナプスの分布を可視化する抑制性シナプス・マーカーを探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
より良い抑制性シナプス・マーカー(プラスミド)の候補の絞り込みを行う段階に達している。
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Strategy for Future Research Activity |
より忠実に抑制性シナプスをラベルする抑制性シナプス・マーカー(プラスミド)候補の探索を引き続き行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抑制性シナプス・マーカー(プラスミド)候補の分布の忠実さを、免疫染色によって内在性のGephyrin(抑制性シナプスの裏打ち分子)と共存しているかどうかで判定する。
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