2013 Fiscal Year Research-status Report
満腹中枢リズミック活動の神経機構と生理学的意義の解明
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24500473
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
飯ヶ谷 嘉門 昭和大学, 医学部, 普通研究生 (80445204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 洋 昭和大学, 医学部, 客員教授 (30177258)
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Keywords | 脳神経 / 摂食 / 交感神経 |
Research Abstract |
視床下部腹内側核(VMH)は満腹中枢として知られているが,このほかに性行動や声音など様々な機能を持つことが知られている.今回我々はこのVMHのニューロンに強いリズミックバースト活動があることを世界で初めて発見した.本研究ではVMHのリズム活動の発生機構と生理学的役割を明らかにすることを研究目的とする. 25年度は,24年度に続いてVMHリズミックバースト活動(オシレーション)に対する各種摂食関連ペプチド及び交感神経関連物質の作用を調べた.生後5-14日目までのラットの視床下部スライス標本において,膜電位イメージングまたはカルシウムイメージングを用いた光学的測定法または電気生理学的方法を用いて視床下部腹内側核(VMH)ニューロンの神経活動を記録した.いずれの方法においても,VMHの背外側エリアを中心に,ニューロンの同期したバースト活動が記録できた.ただしVMH内の左右の同時記録で,左右のオシレーションの位相は完全に異なっていることがわかった.VMH内のオシレーションは,グルコース2 mMで興奮し,30 mMで抑制された.またこの電気活動はOrexin, CRF, PACAPで興奮し,NPY,Ghrelin,Galanin,Isopreteronolで抑制された.オシレーションの周波数は0.05HzでありHeart rate variabilityのLFの周波数と類似していた.このVMH オシレーションはグルコース濃度上昇で抑制されたことから,glucose inhibited neuronの可能性が示唆された.さらに、摂食ホルモンやグルコース濃度によるオシレーションの変化の方向は交感神経活動の変化と一致し,このオシレーションを伴うVMH ニューロンの活動が交感神経活動に影響を及ぼしている可能性が強く示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究で発見されたVMHニューロンのオシレーションがglucose inhibited neuronであることが明らかになった。さらにこのオシレーションを伴うglucose inhibited neuronの周波数は交感神経の周波数と一致していた。またこのニューロンのオシレーションは、様々な摂食関連ペプチドに影響されることが明らかになった。これらの摂食関連ペプチドによるVMH glucose inhibited neuronの神経活動は、摂食関連ペプチドによる交感神経活動のパターンと相同していると考えられ、交感神経活動に影響を及ぼしていることが示唆された。以上より平成25年度は、交感神経活動と今回発見されたVMHニューロンのオシレーションとの相関を証明することができ概ね目的を到達していると考えらえた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までに行った実験で今回の科学研究費による研究目標の概ねは到達できている。平成26年度は不足なデータ数を補足するための実験、および今までの研究結果を学会発表、論文作成することを目標としていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は国際学会参加をみおくり,26年度に予定するための持越し. 国際学会に2つ参加予定であり,このための旅費などとして使用する.
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Research Products
(7 results)